2018年ピョンチャン・オリンピック(平昌五輪)代表の渡辺啓太(28=阪南大)が2年連続3度目の総合優勝を果たした。

前日の2種目を終えて首位で迎え、1000メートルで優勝、3000メートルは2位で締めくくった。「上位4人がいない中でのタイトルですが、全日本は変わらない。2連覇できてうれしい。素直に取れてうれしいです」とほほえんだ。

世界選手権(3月、オランダ)の代表内定者4人が欠場していたが、残り1枠の代表権を取りに来た。「優勝することでしか、その枠に入れない緊張があるなかで、つかみ取れた経験は大きい。そこは収穫」と戦い抜いた。

この日は1000メートルの準々決勝であわやの場面があった。集団をさばけずに、まさかの3位。準決勝に無条件で進む2位までに入れず、タイムで拾われる形となった。レース前から滑りにキレがないと感じていたが、「そんなことを言っている場合ではない」と気持ちを切り替えられた。以降は攻めの気持ちを前面に。決勝では残り2周で内側から先頭をかわしていく滑りで、3000メートルを待たずに優勝をほぼ手中にした。

「世界選手権で個人かリレーかどうなるかわからないですが、ベストを尽くして世界のスケーターに勝つということができたら」と世界舞台を見据えた。