東京オリンピック（五輪）で女子シングルス代表の石川佳純（27＝全農）が5年ぶり5度目となる涙の復活優勝を果たした。同代表の伊藤美誠（20＝スターツ）に1－3から逆転。フルゲームを制し、昨年まで4年間、2000年生まれの選手が優勝する中、ベテランの力を自ら示した。27歳での優勝は10年の王輝（当時31）以来の年長。男子は及川瑞基（23＝木下グループ）が4－3で森薗政崇（25＝BOBSON）を下し、初優勝を飾った。　

　　　◇　　　◇　　　◇

2年ぶり3度目の優勝を逃した伊藤は「1ゲーム目でポンポンと点数が取れて、逆に形をそれにはめてしまった。もう少し自由にいろいろな戦術を使えば良かった」と悔やんだ。試合終了後、約10分間、自陣ベンチの床に座り込み、ぼうぜんとした。3－1からの逆転負けに「夢かと思った。現実とは受け入れられなかった」。石川について「攻めたボールを何本も粘って打ち返してきた。本当に頭を使って、私より1歩上を行っている感覚だった」と、負けを認めた。五輪イヤー。伊藤も石川と同じく、五輪開催を熱望する。「石川さんと久々に試合ができて良かった。年齢差は関係ない。見ている方に元気になってもらえる試合がやりたかった」と述べた。