今大会4冠を達成し、劇的な復活を遂げた池江璃花子(20)を昨年6月から指導する西崎勇コーチが、大会後に報道陣の取材に応じた。以下、一問一答。

-4冠

4冠のために準備をしてきたわけではないので、取れたことは本人も喜んでましたし、私ももちろんうれしかったんですけど。それよりは24年(パリ五輪)を見据え、体調面も整えながら。体重を増やして、しっかり段階を踏んで積み上げていこうかということで、この1カ月、準備してきました。4冠と(東京五輪)代表はとてもうれしいですが、第1目標ではなかったので。王座奪還が1番。予想外? いや、そこそこ多少タイムは上振れするのかなとは練習からは感じておりましたけど、本人とは、欲を出さず1歩ずつ前進していこうか、と話して。この試合会場に入ってからもそういう話をしていた。結果的に代表に入れて4冠はうれしかったです。

-五輪に行けるんじゃないか、と思った時期は

確信、まではいかないですが、練習のタイムは最後の3週間で上がってきていたので。これは面白いのかな、という手応えはありました。ただ、レースの日数が長いことと、1つの種目で予選、準決勝、決勝と3本、戦わないといけない。体力面で若干の不安はあったんですけど、池江選手さすがだな、ということで。私たちの想定を上回ってくれて、うまく結果につながったのかなと思います。

-五輪は全く考えていなかったのか

そうですね。五輪を目指そうよ、という会話は、池江選手との間では1度もなかったですね。私と練習し始めてから。選考会に対してはどうしようか、という話はありましたけど、日本選手権に出ることが決まってからは、早い段階で1番に返り咲きたい、と。五輪は正直そこまで意識してませんでした。

-東京五輪までの強化スケジュールは

これから代表合宿に入りますので。その後は、リカバリー(回復)というかアダプテーション(適応)期間を取ってですね、疲労回復に努めて。その期間で今後のスケジュールが固まってくると思いますので、本人ともう1度、ミーティングして計画を話して。焦らず、スタート切りたいなと思います。

-大会8日間の池江選手の心身の変化などは

前半3日間は、我々コーチもトレーナーさんも、そこまで想像していた以上の疲労感はなかったという印象です。ただ、100メートルの自由形の決勝が終わった後はやはり、本人も漏らしてましたが、疲労というか疲れがあるということでしたので、トレーナーさんの力も借りながら。あとは栄養補給のため栄養士さんの力もお借りして今回、夕食を準備してもらったり、という場面もありましたので。皆さんのサポートのおかげで全日程、現段階では体調も崩さず、やり切れたなという感想です。