オープン参加の日本代表、乾友紀子(30=井村ASク)吉田萌(めぐむ、25=ザ・クラブピア88)組が、逆転メダルへの青写真を描いた。「進化~エボリューション」でロボットから人間に変化する演技を披露して93・6667点。東京五輪は最初の種目が8月2日の同種目予選。日本は世界4位の格付けで、同予選の内容が全体の流れを左右する。会心の演技で、序列を壊していくことを誓った。

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東京五輪のかぎを握る演技だ。乾、吉田組は、4月のロシア遠征以降、突き上げる足の高さを約15センチ上にする特訓を重ねてきた。まだエース乾の高さに吉田が追いつけないが、全力で演技。「私はまだまだ。早く追いつきたい」と言った。

現在の日本はロシア、中国、ウクライナに次ぐ世界4位。コロナ禍で国際大会が減っているため、ウクライナとの序列を直接対決で覆す機会はない。乾は「1本目でがらりと変わったところを見せてチーム全体にいい風を吹かせたい」。いきなりウクライナを逆転することは簡単ではないが、できるだけ近づくことで、格付けを揺さぶる構えだ。

井村ヘッドコーチもその重要性を強調した。「まずこれで、開催国の五輪でここまできたかと見せないとダメ。2人の足の高さがあえば、うんとレベルが上がる。それが最後の大きなとりで。キーパーソンは吉田」とした。【益田一弘】

◇6月チャレンジ杯で総仕上げ

日本代表が、今大会で五輪前最後の試合形式を終えた。今後は総仕上げに入るが、6月のチャレンジ杯(静岡)でエキシビションでの演技を予定。コロナ禍で国際試合が少ないだけに、人前で演技することで感覚を磨く。井村HCは「6月いっぱいはハードに練習できる。もうひと絞り。1つでもおかしいと思うものをもって五輪には臨みません」と改良を重ねていく。