ニッカンスポーツ・コムでは8日、18日、28日の「8」がつく日に、NBAウィザーズの八村塁(23)やリーグに関する話題を連載している。

第7回は、2年目を終えた今シーズンの八村について、本人や関係者のコメントを交えながら総括する。

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プレーオフ1回戦で姿を消したウィザーズだが、その5試合で、若いチームはさまざまなことを体感した。レギュラーシーズン東地区1位の強敵セブンティシクサーズに敗れた直後、ブルックス監督は「このチームには伸び盛りの若手選手たちがいる。彼らは今回、貴重な経験をした」と振り返り、八村については「着実にステップアップしている」と評価した。

2年目の八村は、レギュラーシーズン57試合に出場して1試合平均13・8点。プレーオフの5試合では同14・8点を挙げ、全試合で2桁得点以上をマーク。最後の2試合は連続20点以上を挙げた。公式ツイッターでの動画インタビューで八村は、「自分のバスケキャリアにおいて大きな1歩」と今季を位置づけ、成長できた要因について「得意な部分を出せるようになり、余裕が出てきた」と自己分析する。

数字には表れづらい守備面での成長も光った。今季加入したラッセル・ウエストブルックから、「司令塔からビッグマンまで、すべてのポジションの相手に対して守れるのはお前しかいない」と激励を受けた。その言葉に奮起するかのように、毎試合のように相手のエース級と対峙(たいじ)し、身体を張ったプレーで貢献。助言を送ったウエストブルックはシーズン最終戦を終えたあと、「塁はいろいろなことができて、才能がある。それをどの試合でも継続して発揮していくことが課題だ」。今季の奮闘ぶりを評価したうえで、さらなる安定性を求めた。

コロナ禍で行われた今季は、体調管理の難しいシーズンだった。自身では防ぎようのない面もあったとはいえ、けがなどの影響で戦列を離れた時期も発生。トミー・シェパード・ゼネラルマネジャー(GM)は八村に対し、「昨季も今季も離脱期間があり、本来の82試合の日程をまだ経験していない。そこの部分についても、来季は新たな挑戦となる」。3年目は、シーズンを通じてフル回転することを期待した。【奥岡幹浩】