ラグビー日本代表は12日、19年W杯日本大会以来601日ぶりの実戦となる、強化試合サンウルブズ戦(静岡・エコパスタジアム)に臨む。

11日は会場で最終調整。新型コロナウイルスの影響で約1年8カ月の実戦ブランクがあり、1試合の調整で全英&アイルランド代表ライオンズ戦(26日、スコットランド)を迎える。フランカーのリーチ・マイケル主将(32)を中心に緊張感を共有し、1度きりのリハーサルに向かう。

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張り詰めた空気、飛び交う指示の声。19年W杯でアイルランドから歴史的勝利を挙げた地で、日本代表が余韻に浸る様子はなかった。「笑わない男」として知られるプロップ稲垣啓太は「楽しみという部分はない」と言い切った。その上で5月下旬からの大分・別府合宿を踏まえ「我々はプレッシャーを受け入れて、はね返すだけの準備をしてきた」と表情を変えずに言った。

同合宿では午前、午後、夜と3部練習で、19年W杯代表組と新加入組の融合を目指した。26日には4年に1度だけ結成されるライオンズとの歴史的な初対戦、7月3日には敵地で強豪アイルランド戦を控える。先発15人中13人が前回W杯代表。見る者の楽しみは尽きないが、リーチ主将は「ファンに対しての意識は今のところない。どれだけ自分たちのラグビーができるかを意識してきた」。23年W杯フランス大会への第1歩は、1分たりとも無駄にできない戦いだ。【松本航】

○…特別再編成されたサンウルブズは、日本代表と対照的にリラックスムードだった。トップリーグで存在感を示した選手、代表から合流した9人がアピールに燃える。沢木敬介コーチングコーディネーターは「みんな『かませ犬じゃない』というエネルギーがある」。フランカーのカーク主将(キヤノン)は「日本代表は次のテストマッチに向けて、いい準備をする試合。だが、こちらも勝ちにいきたい」と一泡吹かせる。