バスケットボールBリーグ、レバンガ北海道の佐古賢一新監督(50)が6日、札幌市内のチーム練習で初指導した。約2時間の練習中、2度止めて選手の考えも尋ねながらアドバイス。「判断をより早く。そして次、次へ。バスケは体だけでなく頭も使う。考える。これが今季のキーになる」と説いた。

最初は折茂武彦社長(51)と話しながら遠巻きに眺めていたが、シュート練習が始まると、徐々にコートに近寄り、そして叫んだ。「判断が遅い。真面目すぎ。守備が近づく前に、その先はどっちのエリアが使えるのか、しっかり頭に入れて入っていかないと。スピードが上がらないからテンポも出ない」。指摘の直後、動きの速度が増し練習の雰囲気は一気に変わった。

佐古監督は「初めてだったが、いいリアクションがあった。変化させることでパワーが生まれる。12人の特性を生かし、全員で共同作業ができたら」。まだスタート地点。徐々に佐古スパイスを加え、チームを成長させていく。

新スローガンは「CRAZY 誰も通ったことのない道を行こう」に決定した。ミスター・バスケットボールを迎え、本気で日本一を目指すためのマインドセットを徹底。勝つことにこだわり、リーグをかき回す存在になるという思いを込めた。予想や想定を超えたCRAZYなプレーで翻弄(ほんろう)し、台風の目になる。【永野高輔】

<佐古監督から指導受けた選手の声>

新加入のポイントガード(PG)寺園脩斗(27)は、佐古監督から直々にPGの動きのポイントについて指南された。同監督は練習中、PGは初速よりも最後にディフェンスにアタックするときにトップスピードに持って行くよう指導。寺園は「速くする場所が自分が考えていたタイミングと逆だった。気付かされた。響くものがあった」。主将で同じPGの橋本竜馬(33)は「言葉に力がある。自分が大切にしてきたこととの共通点が、たくさんあった」と話した。