19年大会を制した原田紗希(21=慶大)が、2年ぶり2度目の優勝へ挑戦権をつかんだ。

準決勝で、昨年準優勝の寺山珠樹(日大)と対戦。互いに出方をうかがった序盤から徐々に攻め合い、ロースコアで推移した大接戦の末に9-8と最後のポイントを奪った。

決勝では、今夏の東京大会までオリンピック(五輪)3大会連続出場の佐藤希望(35=大垣共立銀行)と対戦。「ロングのアタックが上手な選手なので、いかに自分の得意の流れに持っていけるか。(次世代を担う存在として)食いついていけるように、下から押し上げていけるように頑張りたい」と、種目最多7度目(2年連続)の優勝を狙っている格上相手のファイナルへ抱負を語った。

原田も一昨年の女王としては負けたくない。ただ、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ昨年は初戦敗退。新型コロナウイルス感染拡大下、今回のラウンド48(参加48選手)ではなく、厳選されたベスト16からの試合開始だったとはいえ、あまりにも早い終戦だった。

そこからは、昨夏に痛めた右膝に負担がかからない動きを習得し、精神面でも「前回はいきなり16からの試合で緊張して終わってしまったので、後悔のないように。技術面、フィジカル面で自分のパフォーマンスを発揮できないことだけは避けようと、数カ月前マインドセットしてきた」と照準も合わせてきた。

結果、準々決勝でも有力選手の馬場晴菜(なとり)との一本勝負(最後の1ポイント先取の大勝負)を制するなど充実し、2大会ぶりに決勝に舞い戻った。

00年生まれのニューヒロイン候補は、男子エペ団体の金メダルも「感動した」と刺激に「女子エペも世界で台頭できるようにしたい」と意気込む。目指すは「もちろん24年のパリ五輪です!」。自身にかけられる世代交代への期待も感じつつ、まずは来月の決勝で最強女王に挑む。【木下淳】