東京オリンピック(五輪)代表の三上紗也可(20=日体大)が、28年ロサンゼルス五輪を見据えて、新技習得を宣言した。五輪後初めての試合で予選は1位通過。決勝は3本目と4本目でミスが出て得点を伸ばせなかった。293・40点で2位。最後の5本目に必殺技「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」を繰り出して、高得点の78・20点をマークしたが、届かなかった。

それでも失敗を引きずって準決勝敗退となった東京五輪を引き合いに「ひねり技でリベンジできた。5154Bも助走がちゃんとできれば、8割は成功する」。これまでは予選で必殺技を温存することが多かったが、この日は予選から投入。「今後は予選から使っていきたい」と意気込んだ。

その上で長期的な視野での新技も口にした。「305B(前逆宙返り2回半えび型)」の回転を増やして「307C(前逆宙返り3回半抱え型)」にチャレンジしていく。7年後を見据えた形だが「5154Bも2016年ごろからやっていた。このオフから307をやっていきたい」と意気込んだ。

三上は19年世界選手権5位。しかし東京五輪では準決勝3本目で板をうまく踏むことができずに19・50点の失敗ジャンプ。それが響いて決勝進出を逃した。決勝に温存していた「5154B」を出せないまま、終戦となった。安田コーチに「もう1回、決勝を指導したかった」と言われて大粒の涙。その上で「1本の失敗で準決勝敗退してしまうのが、この種目の怖さ。この経験はパリで絶対生きてくる。パワーアップして戻ってきたい」と再スタートを誓っていた。【益田一弘】