オービックが連覇へ危なげなく白星発進した。IBMにFGで先制されたがTDパスで逆転。さらに3TDを加えて、前半で31-6と大きくリードした。後半はメンバー交代で10点追加にとどまったが、反撃を2TDに抑え、41-20で今季初戦に順当勝ちした。パナソニックは前半7-3から、ノジマ相模原にTDパスで逆転された。第4Qに連続TDランなどで、24-10の逆転勝ちで2連勝した。

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オービックはいきなりキックオフで48ヤードのリターンを許した。守備がFGでの3点に抑えると、返しの攻撃でQBロックレイからTEハフへの16ヤードパスであっさり逆転。守備がインターセプトすると、直後に再びこのコンビで38ヤードのTDパスを決めた。

ハフは最多5レシーブで101ヤード、2TDをマークした。チームのゲームMVPに選ばれ、試合後に「最初の試合に勝つと気持ちいい。コロナの中応援ありがとう」と、日本語でファンにあいさつした。「ロックレイとはほぼ毎日練習している。いい準備ができた。僕に投げるのがおいしいみたい」と笑顔で話した。

ホットラインの連続TDパスでチームを勢いづけての好発進となった。開幕節はオール三菱の出場辞退で不戦勝と、昨年に続いて開幕が1節遅れた。大橋ヘッドコーチも「入りを一番心配していた。キックオフでゲーム慣れしていない面が出たが、攻守ともしっかり入れた」とひと安心。米国人コンビにも「チームのビック・ウエポン。一段と成熟させた」と評価した。

その後もロックレイがパスとランでのTDを演出し、4シリーズ連続でTDを挙げた。守備も2インターセプトなどでTDは許さずに前半で大きくリード。後半開始から米国人コンビをベンチに下げるなど、控えや新人を積極的に投入した。

今季も16人が新加入し、OL、DLなどもまた若返った。エース李がカナディアン・フットボール・リーグに参戦中で、RB陣も状況に応じて新人を含めて多用。今季は「李が戻ってきたら入れ替えるぞ」とハッパをかけて、底上げを図る。

昨季は2ブロック制の変則システムだったが、今季は通常の総当たりリーグ戦に戻った。日本一を決める試合も、来年1月3日のライスボウルに移行と長丁場の戦いとなる。

後半だけのスコアは10-14だった。「後半も畳み掛けていくような試合にしないと。まだまだ。今季はこれから」。昨季の7年ぶりの王座奪回から連覇へ、大橋コーチは手綱を引き締めていた。