18年平昌オリンピック(五輪)4位の宮原知子(23=木下グループ)が72・30点をマークした。全体トップの1番滑走で登場し、今季のSP「小雀(スズメ)に捧(ささ)げる歌」を披露。ルッツ-トーループの連続3回転ジャンプ、ダブルアクセル(2回転半)から最後は3回転フリップを着氷した。

70点を超えるスコアが出ると驚いた表情を見せて「思った以上に出たのですごくうれしかった。でも、内容としては(70点台に)いくかなという感じだったので。フリーに向けてもう1回、落ち着いて臨みたい」と気を引き締めた。

課題のルッツについては「練習では最近、スムーズに跳べるようになってきている。だいぶルッツの感覚というか手応えつかめてきた」と納得。ジャンプのタイミングも「今までトーを突くタイミングと屈伸のタイミングが少しだけ合っていなかった。まだ昔の癖が出てしまう時もあるけど、シンプルに、膝の曲げ伸ばしとトーを合わせるように意識している」と変えており、整ってきている。

2日に行われたジャパン・オープンからの連戦となるが、コロナ禍の昨季に拠点のカナダで実戦がなくなった経験を踏まえて決断。「本番を重ねることがすごく大事だと去年1年間で感じたので。練習で試合形式にしても限界がある。連戦にはなるけど、実際の試合は違うので頑張ろうと思った」とも説明した。

1番滑走については「最初に知った時、昔から、小さいころから1番か最終になりやすかった。『きた!』と思って、笑っちゃいました」と笑顔になり、これまで近畿で活動してきたが東京選手権にエントリーしたことには「ずっと関西できたので、ここにいるのが変な感じ」とまた笑いつつ「新鮮な感じで試合ができた」と新たな刺激を受けていた。

9日午後2時40分から始まるフリーではジャパン・オープン同様、トリプルアクセル(3回転半)に挑戦する。「自信を取り戻すというか、自分の滑りをすることが目標。頑張りたい」と穏やかに意気込んだ。【木下淳】