12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪男子66キロ級銅メダルで男子代表のアシスタントコーチに就任した海老沼匡さん(31)が、代表コーチデビューを果たした。

海老沼さんは、男子90キロ級決勝で同じ所属の長沢憲大(パーク24)のコーチ席に座った。組み手巧者の長沢が、世界ランク35位のロシア選手と接近戦の攻防が続くと「小さくなってはダメ!」とマスク越しに連呼。残り47秒で長沢が2つ目の指導をもらい、両者が指導数で並ぶと「先に攻めるぞ!」とハッパを掛けた。すると、試合時間残り2秒で相手の左腕を制した長沢が浮き落としで転がして技ありを奪い、優勢勝ちを収めた。

グランドスラム4勝目となった長沢が畳から下りると、海老沼さんはがっちりと握手を交わして喜びを分かち合った。

また同じ階級で長沢の後輩の村尾三四郎(東海大)は、3位決定戦で敗れて5位。今年6月の世界選手権で2回戦敗退し、24年パリ五輪を見据え「出直し」を図ったが、不完全燃焼に終わった。