10日の開幕を前に、タレント発掘記録会が行われた。パリ五輪へ向けたチームスプリントの第1走者を発掘するため、プロアマの男女15人が1周250メートルを測定。女子では、ガールズケイリンから久米詩(22=日本競輪選手会)が、ナショナルチーム入りをかけアピール。男子は、東京五輪代表の新田祐大(35=同)が、本職や次世代組を一蹴するタイムをたたき出した。

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ガールズケイリンで頭角を現してきた久米詩が、ナショナルチーム入りをかけて記録会に初挑戦した。

発走機から測定するスタンディングのタイムは20秒970。東京五輪代表の小林優香に約0秒1差に迫る大健闘だったが「スタンディングは初めてだったし、本番前に足が震えました。肝が据わっているのが自分のいいところだと思っていたのに…。走り終わってから頭が真っ白になった」。普段と違う競技大会の緊張感からか、目標だった19秒台を出せず、唇をかんだ。

父は元競輪選手で日本競輪選手養成所の教官である久米康徳さん。自転車経験はなかったが、デビュー3年目を迎えた今年8月、東日本トラック自転車競技に初出場し、競技の楽しさを知った。「ひとりで練習をするには限界がある」と、同じ伊豆が練習拠点のナショナルチーム入りを目指し、今大会出場を決めた。

初日の10日は、現役ナショナルチームの小林、梅川風子らとチームスプリントで第1走者を務める。「すごい人と走るので、とにかく迷惑をかけないように」と意気込んだ。

チームスプリントは、アテネ五輪で男子が銀メダルを獲得したが、東京五輪では男子が次点で出場枠を逃した。また、女子は従来2人だったが、現在は男子と同じ3人制へと変更され、男女ともに第1走が課題。チームスプリントで五輪枠を獲得できれば、ケイリンとスプリントに出場できるため、パリ五輪へ向けた強化が急務となっている。