ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(21=シスメックス)が3年ぶり2度目の優勝を飾り、22年北京オリンピック(五輪)代表に内定した。

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フリーもトップの154・83点を記録し、合計234・06点。6位入賞だった18年平昌五輪に続き、低迷した時期を乗り越えて、2大会連続の切符を手にした。カルガリー五輪代表の八木沼純子氏(48)が坂本の現状を評価した。

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坂本さんは攻めの気持ちで今季戦ってきた結晶を、この舞台で表現しました。

夏場のオフは、フリー曲の選択に悩んでいました。昨季まで2季滑り、彼女の力強いイメージに合致していた映画「マトリックス」。新曲を選ぶ中で、そのままでいく選択肢もあったと思います。ただ、五輪の会場で、北京で戦うには、何か少し違うものが必要で、「このままの自分で良いのかな」という気持ちがあったのではないでしょうか。そこで攻めの選択があったと思います。

持ち味の強さに、さらに女性ならではの視点を表現できる、併せ持ったプログラムが完成したと感じます。振り付けのリショー氏とも長く共同作業を続け、スケーターとして発展できるものを追求してきた結果、総合力が増している印象です。

坂本さんは自分を置くところが分かっている。次にやるべきことを冷静にみてて、1つ1つ階段を上っていく選手、周りに惑わされることのない選手だと思います。だからこそ、ここまで地道にこられている。

いま、女子は4回転を武器にするロシア勢が強さを見せています。北京でも、ハイレベルな戦いは予想されます。ですが、坂本さんは、あるべき姿をぶらさないと思います。4年間培ってきたものを、いかんなく発揮してほしいです。