日本代表の中部電力が初戦でトルコと対戦、延長戦に突入した3時間を超える熱戦を7-6で制し白星スタートを切った。トルコはこの日2試合目、初戦でスウェーデンにも敗れており2連敗となった。
次戦は日本時間21日午前1時からイタリアと対戦する。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
トルコ | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 6 |
日 本 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 7 |
<トルコ>ユルドゥズ、ギョジュトク、シェンギュル、O・ポラト、(リザーブ)M・ポラト
<日本>北沢育恵、石郷岡葉純、鈴木みのり、中嶋星奈、(リザーブ)松村千秋
◆試合経過◆
第1エンド
ラストストーンドロー(LSD)の結果3・7センチ差で、トルコが後攻でスタート。不利とされる先攻となった日本だが、新ルール「ノーティック・ゾーン・ルール」の影響もあってか、有利な形をつくって進行。No1~NO3を確保して相手の最終投へ。そのラストショットは少し伸びすぎる形となり、No1は日本に。日本がいきなり1点をスチールした。
第2エンド
立ち上がりに1点をスチールした日本が再び先攻でスタート。トルコは氷の読みに手こずるシーンが目立つ中で、日本がいい形を作りかけるが、相手スキップは1投目でフリーズショットをぴたりと決める。日本の北沢も狙い通りの位置にストーンを運び、赤と黄色のストーンが縦に交互に並ぶ形で相手の最終投へ。複数点を可能だったトルコだが、そのラストショットは伸びすぎて1点止まり。1-1の同点となった。
第3エンド
日本がこの試合初めて有利な後攻に。お互いにチャンスの可能性を感じさせつつ終盤へ。トルコはスキップの2投目のドローショットが短く、日本に最大3点のチャンス到来。北沢のラストショットはNo2にあった相手の石をはじき出すと、3点目こそならなかったもの2点を獲得。3-1とリードした。
第4エンド
2点リードした日本が先攻。お互いに相手の石をテークするシーンが目立つ中で終盤へ。日本がNo1とNo2を確保すると、テークショットを狙ったトルコのスキップの1投目はハウスをスルーするミスショット。日本はさらにストーンをハウス内に入れてプレッシャーをかけたが、トルコは最終投のドローショットをなんとか決めてスチールは逃れた。日本は相手に1点を取らせる形となり、3-2とリードして第5Eへ。
第5エンド
リードを1点に縮められた日本が後攻。5投目までにセンターライン上にある相手の石を動かしてしまい、新ルール「ノーティック・ゾーン・ルール」が初めて適用される展開にもなる中で、終盤は互いのスキップによる好ショットの応酬。北沢がヒットアンドロールを、トルコもダブルテークアウトを鮮やかに決めたあと、最後は北沢が相手のNo1をはじき出し、ブランクエンドとした。
第6エンド
ハーフタイムを挟み、再び日本が後攻でスタート。トルコのスキップは1投目でフリーズショットをぴたりと決め、日本に複数点の目がなくなりかけたが、北沢も好ショットで応酬。すると相手の最終投は強すぎるミスショットに。最後は北沢がきっちりドローショットを成功させて2点を獲得。日本が5-2とリードを広げた。
第7エンド
日本の先攻。サードの中嶋はスイープにも助けら、好ショットを立て続けに決める。日本が優位な形で終盤を迎えたが、スキップ北沢の2投目はガードストーンに当たってしまうと、トルコはラストショットを落ち着いて決め、この試合初の複数点を獲得。日本のリードは再び1点に縮まった。
第8エンド
日本が有利とされる後攻。両チームの石がハウスに集まる中で、スキップ北沢が1投目にテークショットを決めてNo1を奪い取る。しかし直後、トルコはすかさずNo1を取り返すと、北沢のラストショットはガードストーンをすり抜けることができず、1点スチールを許した。日本は5-5と追い付かれた。
第9エンド
同点に追い付かれた日本が再び後攻。相手がNo1を確保した状態で投じられたスキップ北沢の1投目は、スイープで懸命に伸ばして相手ストーンのすぐ脇へ。どちらがNo1が微妙な状況の中で、続くトルコの投球は自分の石を押し込めずスルーとなると、北沢のラストショットはハウス中央まで届かず。メジャー測定の結果、日本が辛うじて1点を挙げ、日本リードで最終エンドへ。
第10エンド
1点リードの日本は先攻。トルコはセカンドの1投目の前にタイムアウトを選択。一方の日本も、サード中嶋の1投目の前にタイムアウトを取って両角コーチと作戦を練る。「勝負の…」という言葉とともに選択したのはガードストーンの裏側に回り込むカムアラウンドで、見事成功させてNo1とNo2を確保し、チャンス拡大。スキップ北沢がガードストーンを置いて相手に重圧をかける。それでも最後はトルコがドローショットを決め、同点となって延長戦へと突入。
第11エンド
同点で日本は後攻。セカンド鈴木が1投目にダブルテークアウトを決めると、サード中嶋もテークショットを鮮やかに成功させる。トルコはスキップの1投目の前にタイムアウトを取り、ガードストーンを配置。スキップ北沢は1投目でそれをはじき出すと、2投目はドローショットをしっかり決めて勝利をつかんだ。日本が3時間を超える熱戦を制し、白星スタートを切った。
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カーリングのルールと競技説明
カーリングのショット解説
◆中部電力カーリング部 09年創部で、2年目の11年に初制覇するなど日本選手権を6度優勝。世界選手権には2度出場し、19年には4位と奮闘した。国内女子では北京オリンピック(五輪)銀メダルのロコ・ソラーレや、フォルティウス、富士急とともに「4強」の一角を担う。かつては、現ロコ・ソラーレの藤沢五月や、日刊スポーツの評論やテレビ解説でおなじみ市川美余さんも所属した。チームのモットーは「良きカーラーであると同時に良き社会人であること」。