カップル結成2季目で初出場となる村元哉中(かな、29)、高橋大輔(36)組(関大KFSC)が、互いに誕生日を迎えて最初の競技会に臨む。本番会場で初めての練習を実施し、30分間の調整後はリラックスした様子で取材に応じた。

シングル時代の13年以来、9年ぶりの出場となる高橋は3月16日が36歳の誕生日だった。その節目の日を祝おうと、サプライズを計画したのが村元。拠点の米フロリダでは前日15日の午前11時に日本時間で高橋の誕生日を迎えることになり、ちょうどジョニー・ジョンズ・コーチによるリフトの練習の最中だった。練習の曲を止めて迎えた、その瞬間。だが、スピーカーから流れてきたのはお祝いソングではなかったという。村元が笑って振り返った。

「先生が11時が分かるように携帯にアラームをかけていたんですよ。11時にハッピーバースデーをかけた瞬間、スピーカーから最初アラームの音が流れて…。失敗して、大ちゃんも『えっ!?』って…。それですぐにかけ直して『あぁ!』みたいになっていました」

高橋の誕生日には2人で食事し、チームメートからはケーキも贈られたという。3月3日だった村元の29歳の誕生日も高橋が祝福し、互いの存在を大切にしながら、大舞台を迎えた。高橋は36歳の決意を込めた。

「今季は世界選手権まで(に集中している)。その後は世界選手権後に考えようと思っている。『この1年』というより、とりあえず、この世界選手権で『今までやってきた全てを出し尽くしたい』という思いが強いです」

リズムダンス(RD)は25日、フリーダンス(FD)は26日に行われる。世界の実力者との競演で、これまでの蓄積をぶつける。(モンペリエ=松本航)