日本テニス界に、第2の虎の穴の誕生だ。日本テニス協会と相互共創協定を締結した第一生命は、同社所有の相娯園テニスコート(東京・世田谷)4面すべてを、全仏と全く同様の屋外レッドクレー(赤土)コートに改修。26日、初めてお披露目を行った。

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同コートは、例年、全国小学生テニス選手権の舞台となる。錦織圭は01年に優勝し、世界へ羽ばたくきっかけとなったコートだ。同コートは、もともと日本特有の土のコートだった。しかし、世界で主流の赤土に向けて、将来の強化の意味も含め改修を決定した。

全仏の会場で赤土を担当している専門家から、直接の指導を受けた。同じコートは、国内では味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)の屋内に2面あるだけだ。フランステニス協会から指導を受け作り上げたNTCのコートで、そこを施工した業者が、やはり今回のコートも担当した。

民間企業の施設のため、一般公開はされない。その分、日本協会と第一生命との間の取り決めだけで、協会は同コートを使用できることになる。日本協会の土橋登志久強化本部長によると「月火は4面全て。水曜は2面を、午前9時から午後9時まで協会で使用できる」。

NTCとの拠点の兼ね合いは、22年ナショナルチームの「ネクストジェン(次世代)チーム」の男子8人、女子9人と、ジュニアチームは、赤土で練習するときは、第一生命のこのコートが主流になる。また、同協会福井烈専務理事によると「国際大会開催も十分に考えられる」という。

赤土コートの特徴は、バウンドしてからの球足が遅く、ポイントが決まるまでに時間を要する。そのため、テニスの持つ多くの技術や展開力が必要になる。欧州や南米が主流のコートで、現在のトップ10で男女ともに各9人が、赤土育ちの欧州勢だ。