ラグビーのリーグワン1部で2位につけるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(東京ベイ)のSH谷口和洋(27)が、地元の大阪で成長した姿を披露する。

7日、第12節横浜キヤノンイーグルス戦(9日、大阪・万博記念競技場)のメンバーが発表され、2試合ぶりの先発が決定。大阪・都島工高出身の谷口は「終盤戦になってきているが、相手のことだけを考えるのではなく、自分たちのシステム、プロセスにフォーカスしたい。いいラグビーをして、勝ちにこだわりたい」とすがすがしく誓った。

天理大時代の正SHは東芝(現BL東京)から豊田自動織機(現愛知)に進んだ藤原恵太(27)が担った。谷口はその同期と入れ替わる途中出場が多く、17年のクボタ入団時も自身の「主な経歴」は空欄だった。

「入団当時は同期で入ったのが末永(健雄、同志社大出身=U20日本代表&ジュニア・ジャパン)、海士(広大、同志社大出身=関西学生代表)、シオネ(・テアウパ、流通経大出身=7人制日本代表)など、その世代ではかなり名の知れた選手でした。スピアーズのホームページで、入団選手発表の時に経歴がある。それが僕は空白。『面白いな』『恥ずかしいな』みたいな感じでした。スピアーズに入ってからも、なかなか出られない時期があった。その時期があったから、試合に出てチャレンジさせてもらえていると思う」

昨季、前身のトップリーグのプレーオフトーナメント準々決勝に急きょ先発。神戸製鋼(現神戸)相手に存在感を示し、今季に入ると先発起用が増えた。緊張感の高い試合が続くが、心掛けていることがある。

「試合の前に集中すると1つのプレーしかできなくなる。リラックスして試合に入る。ラグビーをしていると、すごくいろいろな声が聞こえる。誰の声か聞き分けて、ポジションで投げるところも違う。味方が出している手を見て、投げるようには考えています。プレッシャーもかかりますけれど、プレッシャーと共に戦っていくスポーツだと思っている。割り切ってリラックスしてやっています」

2日後も4位横浜との重要な一戦。東京ベイの背番号「9」を担い、冷静に仲間を引っ張る。【松本航】