B1在籍5季目でCS初出場した秋田ノーザンハピネッツ(ワイルドカード2位、CS出場順位8位)の下克上はならなかった。琉球ゴールデンキングス(西地区1位、同1位)に56-77で黒星。古川孝敏(34)がチーム最多15得点、アレックス・デイビス(30)が12得点12リバウンドのダブルダブル、ジョーダン・グリン(32)が12得点と奮闘も、2連敗で敗退が決まった。

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秋田のCS初挑戦が終わった。完敗だった。前田顕蔵ヘッドコーチ(HC、39)は「負けは悔しいが、クラブとしては大きな経験を得た。今回の2戦が自分たちの現在地。前を向いて、秋田は進んでいかないといけない」と振り返った。

前半終了時点で18点差をつけられたが、第3クオーター(Q)に怒濤(どとう)の反撃。古川の3点シュート(3P)を皮切りに着実に加点し、一時4点差に迫った。前田HCは「3Qは選手がファイトして気持ちを見せてくれた」。ただ、第2Qは29失点、第4Qは6得点と攻守で精彩を欠いた「20分」が響いた。

堂々戦った。前田HCは「楽しまないともったいない。この舞台は次の新しいステージに向かう1歩目」と捉え、西地区王者・琉球に挑んだ。「普通にやれば負ける」「そんなに甘い勝負ではない」。相手を格上だと認めた上で、秋田が成長した姿を見せられれば「勝機はある」と下克上を狙い、結果は2連敗も爪痕は残した。

「ウルトラアキタ」を今季チームスローガンに掲げた。「究極」「最上級」を示す「ウルトラ」という言葉に「これまでの限界を超える」「最強」の意味を持たせた。レギュラーシーズンは昨季の28勝がB1最多勝だったが、今季は31勝を挙げ、勝率も初めて5割超えして5割7分4厘をマーク。史上最強の秋田でもCS準々決勝の壁は厚かった。この敗戦を来季の飛躍につなげ、最強をアップデートしていく。【山田愛斗】

▼秋田で最年長の古川が、2季プレーした古巣の琉球相手に気を吐いた。チーム最多15得点を挙げ、24分48秒コートに立った。Bリーグ初年度の16-17年に栃木(現宇都宮)でリーグ王者となり、CSでは初代MVPに輝いている。「個人としては久しぶりのCSでかなり気持ちは入っていた。このチームで何としても勝ちたい思いで全力で戦ったが、1歩も2歩も及ばなかった」と悔しがった。