女子で北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレが、プレーオフで北海道銀行を6-4で下し、2年ぶり3度目の日本一に王手をかけた。若さと勢いのある相手を逆転でねじ伏せた。29日午後4時半からの決勝では、変則トーナメントの準決勝を制した中部電力と対戦する。29日午前9時からの男子決勝は、札幌国際大と1次リーグ首位通過のSC軽井沢クラブが戦う。

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前日まで、ドローショットの精度に苦しんできたスキップの藤沢五月(31)が、決勝を前にしっかりと修正してきた。第4エンド(E)の最終投はガードストーンの間をすり抜け、ハウス(円)の中心にぴたり。第7Eでも複数点をもたらすドローショットを披露。「スイープの力も使って決めることができた。調子は上々」。日本一へ視界は良好だ。

チームの本拠地で開催される今大会。家族の力が、心もおなかもサポートしてくれる。「各選手のお母さん、家族に、食事の部分でもサポートしてもらっている」と藤沢は感謝する。

試合の合間の食事などで“差し入れ”として提供されるのが家族による手料理。藤沢の母尚子さんが作った「なすのみそ炒め」はチーム全員が絶賛したメニューの1つだという。

連覇と日本代表の座が懸かった昨年の決勝。自分を信じ切ることができなかったことがミスにつながり、準優勝に終わった。その後の日本代表決定戦や北京五輪を経験し、精神的にも、さらにたくましくなった。「明日は、最後まで自分を信じたい。最後は楽しんだもん勝ち。そこを意識してやりたい」。銀メダルの北京五輪も含めた長いシーズンの終わりを告げる、地元での頂上決戦。最後の一投まで、とことん楽しむ。

【奥岡幹浩】