札幌国際大はリードされる展開を懸命に追いかけたが及ばず準優勝だった。

サードでスキップの佐藤剣仁(はやと、21)は、「決勝まで来ることができたのは自分たちが力を持っている証拠。最後にパフォーマンスを発揮できず終わったのは残念だが、26年ミラノ五輪を目指すチームにとって大きな経験になる」とうなずいた。

カナダ生まれ、カナダ育ちの“逆輸入カーラー”だ。日本人の両親が仕事の関係でカナダに移住。バンクーバー郊外のニューウエストミンスターで生まれ、3歳上の兄の影響で10歳から競技を始めた。

19年に3月に“留学生”として来日。日本語を話すことに関しては不自由しないが、「読み書きは結構苦手。とくに手書きは苦戦する。住所や名前ぐらいは書けるようになっているけれど」と笑顔で明かす。

メールを使い日本語でコミュニケーションを取る際も、来日当初は自動翻訳を活用。着々と学習を重ね、「今はメールとかは日本人に近いレベルで打てるかな」。

スキップとしての特徴についてはバランス型と自己分析する。「攻めるところは攻め、守るところは守る、そのメリハリはつけられていると思う」。的確な状況判断で、チーム躍進の原動力となった。

今大会の準優勝により、日本協会の強化指定候補となった。「できれば海外遠征にも行きたい。カナダの実家にも2年ぐらい帰れていないので、家族に会いたいなという思いもある」。

日本一を決める舞台で得た自信を胸に、世界へと羽ばたく。【奥岡幹浩】

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