スキーのノルディック複合で、14年ソチ、18年平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)個人ノーマルヒル銀メダルの渡部暁斗(34=北野建設)が、複合競技の未来に危機感を募らせた。

日本オリンピック委員会(JOC)のシンボルアスリート(SA)、ネクストシンボルアスリート(NSA)の認定式が23日、都内で行われ、SAは13人、NSAは16人が認定された。

SAに認定された渡部が世界で活躍する複合は、先日、26年ミラノとコルティナダンペッツォ冬季五輪の正式競技から除外される可能性があることが報道されたばかりだ。IOCはジェンダー平等の観点から、現在、男子しかない複合に女子の導入か、複合そのものをなくすことを考えていると言われる。

加えて、スキーと自然環境は切り離せない課題だ。渡部は「ヨーロッパでは氷河が消えていく様だったり、降雪量が減っている。自分の競技自体がなくなってしまう未来をひしひしと感じる」と、真剣なまなざしで危機を訴えた。

プライベートではうれしいことがあった。5月末には、第2子が誕生。2人の子を持つ父親として、「男性の育児への参加。アスリートとの両立への挑戦をしたい。新しいアスリート像をつくりたい」と笑顔で話した。