水沼尚輝(25=新潟医療福祉大職)が50秒94で銀メダルを獲得し、この種目の日本勢では五輪と世界選手権を通じ初の表彰台に立った。

この種目の元日本記録保持者・河本耕平さん(42=中大コーチ)が水沼をたたえた。「やりましたね。すごい」と第一声はうれしそうに弾んだ。

柏崎市出身の河本さんは09年に地元開催されたトキめき新潟国体で51秒00の当時の日本記録をマーク。同記録は3月の代表選考会で50秒86をマークした水沼に13年ぶりに塗り替えられた。

母校中大コーチとして参加した日本選手権(4月=横浜)で会った時には「やっと切れました」とあいさつされて「肩の荷が下りた」という。「新潟の選手が(日本記録を)引き継いでくれた」と喜びも感じていた。

男子100メートルバタフライは高いスプリント力が求められ、日本人には不向きとされてきた。水沼は今回の世界選手権の準決勝で50秒81で日本記録を更新し、同種目初の日本人メダリストになった。

決勝では折り返しは最後尾も、後半に6人を抜き去った。「後半の粘りで持ち味を出した。日本記録の壁を突破して、世界の扉を開けた」と河本さん。新潟県選手の後輩のさらなる飛躍を期待していた。