日本フェンシング協会は30日、公式ホームページに「男女エペ沖縄合宿についての週刊誌報道に関するおわびとご報告」と題した文書を掲載した。

前日29日の「文春オンライン」と、この日発売の「週刊文春」が男女エペの日本代表について「日本オリンピック委員会(JOC)の助成金から費用の補助を受ける予定だった沖縄合宿で、当初の予定とは異なるレジャー中心の合宿を実施していた」と報じた件について「当協会に対する信用を大きく毀損(きそん)する可能性のある重大な事案であると認識しており、このような事態に至ったことを深くおわび申し上げます」と認めて謝罪した。

合宿には、昨夏の東京オリンピック(五輪)で日本初の金メダルを獲得した男子エペ団体メンバーなど約30人が参加していたが、公金が投じられる可能性がありながらマリンアクティビティーや観光などレジャー色が強かったと伝えられ、前夜から批判にさらされていた。

現時点で協会が確認できている事実関係と今後の対応についての報告の概略は以下の通り。

【対象】

男女エペ沖縄合宿(6月18~25日)

【事実関係】

実施に当たり、事前に提出されていた内容から合宿直前に大幅な変更が生じていたが、担当コーチから強化本部に報告されていなかった。

従来、合宿は事前に提出された計画に沿って実施されることが前提。提出後の軽微なスケジュール変更は報告を求めていなかった。

しかし、今回は軽微と言い難く、スケジュール変更後の内容は当初提出されていた合宿の目的を達成すると判断し難いものだった。これらは、合宿の事後報告書が提出される前に週刊誌報道によって協会の知るところとなった。

【今後の対応】

協会による強化本部へのヒアリングで既に事実確認されており、助成金申請を伴う合宿に係る業務フローにおいて、変更発生時のチェック体制を強化する。

その他、顕在・潜在する課題を精査し、早急に業務フローを再構築する。

変更発生時だけでなく、合宿の派遣基準、企画内容の精査、合宿中・後の活動実態把握、活動実績が助成金申請に適する内容であるか、精査をあらためて義務化・徹底する。

多くのサポートを受けて行う強化活動の透明性を担保し、健全な運用をはかるべく指導を徹底していく。

合宿の実態については、参加した選手やコーチに対して徹底的なヒアリングを行い、より詳細な事実の究明を急ぐという。必要に応じて第三者委員会の立ち上げも検討し、協会内での責任の所在も明確にする。

最後に「高い健全性の求められる日本代表チームの活動において、皆さまのご理解をいただけるとは言い難い合宿運用が行われていたことを深くおわび申し上げます。今後、再発防止ならびに信頼回復に向けて協会全体として真摯(しんし)に取り組んでまいります」と約束した。

プライベートを含め、フェンシング日本代表が週刊文春に報じられるのは、この1年間で3度目。昨年6月に就任したタレントの武井壮会長は27日未明に「ふう、さすがにもう守りきれん。。」とツイートして「意味深」と話題になっていたが、この日の夕方に「フェンシングとは無関係です」と否定した。【木下淳】