日本(世界ランク10位)がフランス(同2位)に敗れた。過去1分け9敗の強豪からの初勝利を逃した。フッカーの坂手淳史主将(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は「率直に悔しい。まだまだ修正できる点がある」と開口一番で振り返った。

前半は23年W杯の開催国に対し、強烈なインパクトを残した。前半3分、いきなりWTBプノーのトライで先制点を献上。7点を追う展開となったが、同6分、前日1日に急きょ先発が決まったSO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)のPGで4点差に迫った。

同14分には連続攻撃からNO8テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)が力強い突進で逆転トライ。その後は一進一退の攻防を続け、前半を13-13で折り返した。

今回の代表活動は約70人を日本代表、日本代表候補の2チームに分けて合宿を張った。過去最高の8強入りした19年W杯日本大会前はスーパーラグビーの日本チーム「サンウルブズ」で国際レベルの経験値を積み、代表の強化に生かした。

日本大会後はサンウルブズが消滅した上に、代表も新型コロナウイルスの影響があり20年はテストマッチを行えなかった。経験不足を補うために、6月は代表候補メンバーでウルグアイとのテストマッチ第1戦を経験。テビタは候補から代表へと昇格した1人となり、代表の一員として宮崎合宿を過ごした李も、前週のウルグアイ第2戦が初キャップだった。

相手のフランスは今春の欧州6カ国対抗で全勝優勝。そのメンバーの大半は日本遠征に参加していないが、アピールを目指すフレッシュな面々が後半に地力を示した。後半5分にWTBルベルが勝ち越しトライを奪うと、同12分にはFBジャミネのPGで主導権を握り、日本は劣勢に陥った。

第2戦は9日、東京・国立競技場で行われる。坂手は「1週間の準備がとても大事。自分たちのラグビーのプランを落とし込んで、勝てるように頑張っていきたい」と言い切った。春から夏にかけての代表活動を締めくくる一戦で、フランスからの初勝利を目指す。【松本航】