世界ランキング10位の日本代表は同2位のフランス代表との第1戦に23-42で敗れた。

急きょ先発が決まったSO李承信(り・すんしん、21=神戸)ら有望株が躍動。新型コロナウイルス陽性で4人の主力を欠きながら健闘した。リーグワン横浜キヤノンイーグルス監督の沢木敬介氏(47)は、9日のフランスとの再戦(東京・国立競技場)へ期待が持てる内容だと評価した。

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前半、日本は素晴らしいアタックを見せた。ポゼッション(ボール保持率)やボールを持って獲得した距離でもフランスを圧倒したし、相手陣でプレーする時間も長かった。優勢に試合を進める日本に対し、フランスは明らかに疲れていた。

もっとも、後半は勢いが逆転する。日本選手にコンタクトプレーのダメージが蓄積していたのだろう。逆に、フランスはランの疲れから回復して一気に攻勢に出た。後半立ち上がりで、フランスのペースになった。

「ここぞ」という時のプレーの精度や集中力はフランスが上だった。特にトライにつながるサポートプレーが抜群。総合的なラグビーフィットネスのレベルが高いフランスに対して、日本はレベルアップが必要だ。

今年の欧州6カ国対抗で全勝優勝したフランスは、来年のW杯で不可欠となる対応力のある新しい選手を試しているのだろう。この日の日本戦でも、選手が前半のダメージからどう立ち直るかを見ていたはず。どんな状況でも力を出せないと、W杯では勝てない。

ただ、日本も内容は素晴らしかった。代表デビューのSO李もよくやっていた。来週にはフランスとの再戦がある。1週間でどんな準備をし、臨むか。前半の勢いを80分間続けるのは無理だからこそ、どうゲームプランを立てるか。次が楽しみになる試合だった。(横浜キヤノンイーグルス監督)