新潟アルビレックスBBの新戦力、PGモサク・オルワダミロラ・雄太・ジョセフ(20)が全体練習に合流し、10月1日に初戦を迎えるプロ1年目のシーズンに向けて調整を始めた。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。19年に米国の大学、プロでプレーを希望する選手を支援する「スラムダンク奨学金」の第13期生に選出され、昨年はNCAA2部のストーンヒル大でプレー。本場仕込みのスピードと正確なショットを武器に、昨季リーグ最下位の22位に沈んだ新潟の起爆剤になる。

練習中、プレーが止まるたびにモサクは手をたたいて周囲を鼓舞した。「楽しいと自然とそうなるんです」。気持ちを体で表現するように、スピードに乗ったドリブルからのレイアップ、豪快なダンクを披露する。

28日に全体練習に合流。3X3のU21日本代表に選出され、「3X3ネーションズリーグU21アジア」(4~10日、モンゴル・ウランバートル)に出場するなど実戦はこなしていたが、仕上げはこれから。「全体的にコンディションを上げていく」。10月1、2日の22-23シーズン開幕カード、ホーム島根戦に視線を向けた。

平岡富士貴監督(48)は「無理に仕掛けようとせず、周囲を見ている」と感覚の鋭さを感じた。走力と攻守の切り替えの早さが新潟が目指すスタイル。モサクも「走るのは好き」と自信がある。昨季、新潟は7勝45敗でB1最下位の全体22位。4季ぶりにB2降格が設けられる今季、モサクの存在はチーム浮上のキーになる。

19年に「スラムダンク奨学金」の対象者になり、本場米国でバスケに打ち込んできた。21年はストーンヒル大で20試合に出場。高い身体能力と3点シュートを含めた攻撃力、献身的な守備は現地の大学関係者から高い評価を得た。今も大学に籍を置くが、日本からのオファーに「今、プロでやることが大切」とBリーグ入りを選択した。

昨季、同じ奨学金対象者から新潟入りしたSG木村圭吾(21)はセントトーマスモアスクールのチームメート。1年間、同じ寮で生活した間柄だ。「一緒にできればいいなと思っていた」。親友とともに戦うのも楽しみの1つ。「チームみんなが勝ちたいと思っている。そのためにやれることをやる」と全力を尽くすことを誓った。【斎藤慎一郎】

◆モサク・オルワダミロラ・雄太(ゆうた)・ジョセフ 2001年(平13)12月5日生まれ。埼玉県出身。クリスチャンアカデミー時代にバスケットボールを始めた。17年に渡米し、ランコカスバレー高、ユニバーシティネブラスカ高を経て、19年に「スラムダンク奨学金」の第13期生に選出されてセントトーマスモアスクールに編入。21年9月からストーンヒル大学に所属。ポジションはPGまたはSG。193センチ、84キロ。背番号2。