29年ぶりに1部で戦う東洋大が開幕2連勝を飾った。

開幕戦で4連覇中の東海大を破った勢いに乗り、全国大学選手権を6度制した関東学院大にも勝利。ロック斎藤良明慈縁(らみんじぇん)主将(4年=目黒学院)は「ちょっと浮ついていたのかな、というところが80分間通してあった」としつつ「まだ2試合目。シーズンを通して強くなれるようにしたい」と誓った。

4トライを献上した攻防で、スイッチが入った瞬間があった。7点リードの後半ロスタイム。まだ時間がある状況で、相手はゴール前中央のペナルティーからPGを選択せず、スクラムから攻撃を開始した。斎藤は「言葉は悪いかもしれないけれど…」と前置きし、その時の思いを表現した。

「かかってこい! という感じでした」

1トライ1ゴールで同点という状況。それでも全員が体を張り、徐々に相手を自陣インゴールから遠ざけた。前半を26-20で折り返したが、後半19分には同点に追い付かれる苦しい戦い。それでも開幕戦で王者・東海大を倒す原動力になったタックルを信じ切った。

29年ぶりの1部での戦い。かつて三洋電機(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)でプレーした福永昇三監督(46)は「(東海大戦勝利後)一夜にして状況がとても変化している。こういった記者会見もなかなか(2部では)なかった。『いつも通り』って言っても、学生。かなり影響は出る。その中で勝つことができたのは良かった」と振り返った。29年前は生まれていない斎藤だが、新チーム始動で掲げた目標を明かす。

「リーグ戦を1位で突破して、日本一が目標。そこの部分は変わりません。1部になったことで、日本一を目指せる立場になった。チームメートに力のあるプレーヤーが多く、本当に届く目標だと思います」

関東リーグ戦で巻き起こす東洋大旋風。終着点はまだまだ先にある。【松本航】