東京五輪代表の平野美宇(22=木下グループ)が、4-2で早田ひな(22=日本生命)を下し、優勝を飾った。9月の同じ顔合わせでは1-4で敗れていたが、およそ2カ月ぶりの対戦でリベンジ。今大会はシングルスにおける24年のパリオリンピック(五輪)第3回選考会を兼ねており、代表の座へ一歩近づいた。

先に2ゲームを先取されたが、動じなかった。第3ゲーム(G)から鋭いサーブレシーブなどを浴びせて、相手のミスを誘発。第3Gを11-4で制すと、一気にギアが上がった。「同点になってからは自信が出てきた」。早田を寄せ付けず、4-2で逆転Vを飾った。

試合後のインタビューでは「国内大会で優勝するのはほんとに久しぶりなので、とてもうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。

背水の陣で臨んだ大会だった。パリ五輪の選考ポイントは女子6位。五輪切符をつかむには、今大会で上位に食い込むが絶対条件だった。ここ1カ月は大会に出場せずに練習に専念。「サーブやレシーブの引き出し」を増やし、戦術の幅を広げた。

その成果もあり、安定感が増した。苦しい展開でも、その状況に合ったプレーを選択。「練習でも自分で考えてやっていたのが、自分を信じるプレーにつながった」と胸を張った。

大会前の時点で、選考ポイントは56点にとどまっていたが、優勝したことで50ポイントの上乗せに成功。女子3位となる累計106点とし、ポイントの配分が大きい世界選手権出場をほぼ確実とした。

自らの手で可能性を広げた平野は言い切った。「来年からは海外の大会が増えると思う。世界で勝てるように、これから努力していきたい」。ずっと先の目標へ、心に緩みはない。

◆大会終了時点での選考ポイント上位

1位 早田ひな(162ポイント)

2位 伊藤美誠(113ポイント)

3位 平野美宇(106ポイント)

4位 木原美悠(105ポイント)

5位 長崎美柚(96ポイント)

6位 芝田沙季(94ポイント)

7位 石川佳純(86ポイント)

8位 佐藤瞳(69ポイント)

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