9年ぶりに国内開催された国際親善試合で、全日本選抜チームが米大学アイビーリーグ選抜チームに4点差で敗れた。

国内最高峰のXリーグから54選手(うち外国籍7選手)と、大学から6選手が選出されたオールスターチーム。ここに「クロスオーバーアスリート枠」で選ばれた、20年の「アマ横綱」花田秀虎(日体大3年)はサイドラインに立ったものの、デビューはお預けとなった。

世界最高峰の米NFLを目指して相撲との「二刀流」を封印。昨秋からアメフトに専念していた花田は185センチ、130キロのDLとして登録された。僅差の展開もあり、出番は訪れなかったが、後半に入るとベンチコートを脱ぎ、ヘルメットを持って「準備はできていた。いつ出てもいいようにアピールしました」と出番を待った。

転向後、スタイル(ユニホーム上下と防具を試合用に着用すること)自体、初めての経験。「出るとは言われていなかったけど、準備だけはしました」と話しつつ、さすがに社会人が全力を尽くす中で出場機会はなし。それでも、本場米国の選手の動きを目に焼きつけた。「レベルが高かったですね。同じ大学生とは思えなかった」。しかし「もっともっとアメフトが好きになりました」と触発された。今後は今年9月を目指して米国の大学に編入し、NFLを目指すべく英語の習得と練習を続けていく。

先月の甲子園ボウルを5連覇し、年間最優秀選手に贈られるミルズ杯に輝いた関西学院大の3年生DLトゥロター・ショーン礼や、敢闘賞を獲得した早稲田大4年のDL山田琳太郎も、僅差の展開で起用されるチャンスはなかったが、近未来の日本を支え、米国勢に勝つためサイドラインから速さと強さと大きさを見て学んだ。次代を担う学生にとっても、国内9年ぶりとなる国際親善試合は貴重な体験になった。【木下淳】