前日のショートプログラム(SP)で首位発進した「りくりゅう」三浦璃来(21)木原龍一(30)組(木下グループ)が、4大陸選手権初優勝を飾った。フリーも137・05点の1位、合計208・24点まで積み上げた。

最終滑走。サイド・バイ・サイドの3連続ジャンプ、3回転トーループ-2回転トーループ-ダブルアクセル(2回転半)では2回転半の着氷で木原にわずかな乱れ、続く3回転サルコーでは三浦にも乱れがあったが、その後のスロージャンプも踏ん張り、必死に滑り抜いた。

演技を終えると木原が膝からリンクに崩れ落ち、三浦もうずくまった。標高1800メートルを超える高地。酸素が薄い中で全力を出し切った。あいさつでは互いにしっかり手を握り、笑顔で観客の声援に応えた。木原はリンクを降りて得点を待つキスアンドクライにたどり着くまでも、苦しそうに四つんばいで移動した。

試合後の会見では、演技直後について聞かれた木原は「プログラムの内容的にはうれしさがあふれでる内容ではなかったので、シンプルに今日は空気が薄かったなと思いました」、三浦は「龍一君はいつも倒れ込むんですけど、それが今日は激しかったので、高度のためかなと思いました」とにこやかに振り返った。

国際スケート連盟(ISU)の選手権大会でも、日本勢として初優勝となった。木原は「日本人カップルとして初めて優勝できたのはうれしい。2人でやってきたことが結果に表れ始めているのでいいかな。若いカップルがやってくれたら、いつか日本の国旗をペアの競技会で見る機会が多くなるように、まだまだ頑張らないといけないなと思います」と引き締まった表情で語った。