<bjリーグ:仙台89ERS80-78富山グラウジーズ>◇1日◇仙台市体育館◇第28戦

 仙台89ERSが80-78で接戦を制し、富山グラウジーズに連勝した。第4クオーター(Q)で8点差を逆転。1月27日に富山から獲得したばかりのパワーフォワード(PF)ロドニー・ウェブ(25)が、古巣を相手に2ダンクを含むチーム最多タイの25得点と爆発した。約2カ月半ぶりの同一カード連勝で14勝14敗。昨年12月14日以来の勝率5割復帰を果たした。

 201センチの巨体が、笑顔ではね回った。合流したばかりの新外国人ウェブが残り6秒で決勝点のフリースローを決めると、チームメートが駆け寄り祝福し合った。ウェブは「シーズン前から、一緒に練習してたんじゃないかと思うくらい」と、すっかり解け込んだ2連戦を振り返った。

 ちょっぴりホロ苦い思いが土壇場でウェブのバネになった。仙台の練習では最後に、指名された選手1人がフリースローを打ち、入った時点で練習が終わる。1本外すごとに、他選手が体育館の端から端をダッシュで1往復させられる。実はこのウェブ、30日の練習で連続6本を外した。「だから決めなければならなかったんだ」。ヒーローは恥ずかしそうに話した。

 立役者はウェブだけではない。前日に、右上腕骨大結節部分骨折から約2カ月ぶりに復帰したシューティングガード佐藤は、75-76の残り41秒で逆転の3点シュートを決めた。佐藤は「あそこ(プレッシャーのかかる場面)で打たなければ自分が出ている意味がない」と力強く話した。

 昨年11月16日以来の同一カード連勝も果たした。それ以上に新加入選手、復帰選手が短期間で融合しつつあることが大きい。一丸となって次週、4ゲーム差で首位を走る浜松に挑む。【三須一紀】