震災からの復興を世界にアピールするにふさわしい一戦だった。釜石で行われる試合の意味を、選手たちも強く感じていた。この日は釜石や岩手沿岸部の小中学生2500人が招待された。ウルグアイのプロップ・ロンビスは「衝撃的な被害を受けたのに、こんな素晴らしいスタジアムができるなんて信じられない。皆さんが幸せな笑顔で迎えてくれて本当にうれしかった」と感動していた。

東日本大震災で校舎が浸水、全壊被害を受けた鵜住居小、釜石東中の跡地にスタジアムが建てられ「復興」のシンボルとなった。宮古市でキャンプを行っていたフィジーの選手たちは24日、甚大な被害を受けた同市田老地区を訪問。マッキー監督は「ここで試合ができることは世界のラグビーにとってとても重要なこと」。ワンガニンブロトゥ主将も「ここでプレーできるのは、選手としてとても光栄なこと」と話した。

世界ランク19位のウルグアイが10位フィジーから金星に値する勝利を挙げた。ガミナラ主将は「悲惨なことが起きたと全く感じられないくらい素晴らしい場所だった。ウルグアイにとっても歴史をつくるのが今日だったんだ」とメモリアルな一戦に興奮しきりだった。【野上伸悟】