日本のライバルが勢いづいた。世界ランキング9位のスコットランドが、同20位のロシアに61-0と大勝した。中3日で迎える日本戦を考慮し、前戦のサモア戦から先発14人を変更するなど主力を温存。負ければ日本の決勝トーナメント進出が決まる状況だったが、9トライを奪いボーナスポイント1点も獲得。勢いに乗った状態で、8強入りを懸けた日本戦に臨む。

   ◇   ◇   ◇

負けられない一戦で、主力を温存しながらも完封勝利を収めた。スコットランドのタウンゼンド監督は「ボーナスポイントが取れたのがよかった。取れなかったら日曜日の試合は厳しかった。選手たちは自信になったと思う」と、思い描いた通りの結果に笑みを浮かべた。

若手がチームに勢いをつけた。前半13分に、元代表主将を父に持つSOへースティングズが中央突破で先制トライを奪い、同17分に2トライ目を挙げた。「父のようにW杯に出るのが少年時代からの夢だった」と話す23歳の司令塔が、選手層の厚さを象徴した。同21分には24歳のSH・G・ホーンが、ラインアウトから展開したロシアボールをインターセプトしてトライ。後半4分には、ボーナスポイントを決定づけるチーム4本目のトライを奪うなど、W杯初先発ハーフ団が躍動した。

日本戦へは中3日と過密日程だが、チームの状況は最高に達した。15年イングランド大会で日本に大勝した時のSHレイドロー、SOラッセル、FBホッグに十分な休暇を与えた。チーム全体の疲労度は高いかもしれないが、同監督は「日曜日は本当にいい調子で迎えられる」と自信を見せた。

34-0で勝ったサモア戦に続く大量得点で波に乗る。「全ての取り組みが日本戦に向けて行ったもの。もっと精度を高くしたい。キックチェイスとセットプレーが鍵になる」と、最高のパフォーマンスを披露する準備を整えている。4年前の悪夢を、再び日本に見せる。【佐々木隆史】