南北海道で北嶺が札幌厚別を24-17で下し、初勝利を挙げた。

7-10の後半7分、ハーフウエーライン付近でボールをつかんだ北嶺のSH小城大和(2年)が右サイドを駆け上がった。約50メートルで5人をかわし、インゴールに飛び込んだ。逆転のビッグプレーに「疲れたけど気持ちよかった」と笑顔を見せた。

89年の平成元年に開校と同時に創部。当初は専属の顧問がつかず合同の「山岳・ラグビー部」だった。12年に南北海道大会に初出場して4度目の挑戦。就任31年目の下〓(狩の守が召)(しもはざ)次郎監督(53)は「接戦だった。ギリギリのところで耐えた」と、粘りに粘ったフィフティーンをたたえた。

中高一貫のチームワークがあった。秋の今大会は3年生が受験のため不在。例年は少人数で戦うが、今年の2年生は通常の倍の15人がそろった。中学1年だった15年、W杯イングランド大会で日本代表が南アフリカに大金星。「校技」であるラグビーが注目され、当初の6人から一気に増えた。青木佑磨主将(2年)は「楽しいとみんな言ってくれた」と話す。

試合に対する意識も変わった。「本気で勝ちにいこうと話してる」と小城。道内屈指の進学校で学業優先のため平日練習は1時間半ほど。それでも練習メニューは選手たちで考え、効率の良い練習を追求した。準決勝は花園17度出場の札幌山の手と戦う。地区大会では0-100と大敗。地区を右膝のケガで欠場した青木主将は「チームで戦える部分はあった。頑張りたい」。初勝利の勢いで強豪にぶつかる。【西塚祐司】