ラグビージャーナリストの村上晃一氏(54)が南アフリカの警戒選手を「村上‘s ポイント」として5回連載で紹介します。3人目は203センチのロック、エベン・エツベス(27)です。

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南アフリカの暴れん坊-。エツベスはそんなイメージの選手です。試合中に小競り合いが起きたら、とにかく熱い。先頭に立ち、一歩も引かずに相手をにらみつける、チームの精神的な柱でもあります。以前、試合でジャージーが破れたことがあるのですが、その時見えた、鍛え抜かれた大胸筋が話題にもなりました。

強豪南アフリカ代表で史上初めて25歳になる前に50キャップを獲得。13年にワールドラグビーの年間最優秀選手の候補に選ばれるなど、世界から高い評価を得てきました。プレーでは、何といっても203センチの身長を生かした空中戦の強さが武器です。相手ボールのラインアウトをスチールするのもうまく、大きなFWのパワーで前に出る南アフリカラグビーの中心となる選手です。レジェンド、ビクター・マットフィールドの後継者として確固たる信頼を勝ち得ています。

205センチのデヤハー、200センチのデュトイと2メートル以上が3人。身長がない日本としては、ラインアウトはなるべく避けたいところ。エツベスに仕事をさせないためにも、試合を切らずに、速いテンポでボールを動かす日本の戦いを80分間やり切れるかがポイントになりそうです。