<大相撲九州場所>◇10日目◇18日◇福岡国際センター

 西十両6枚目の若の里(38=田子ノ浦)が、同14枚目の輝(20=高田川)を下した。相手の突っ張りをしのぐと、得意の左四つに。前に出ながら、すくい投げで転がした。

 部屋は違うが、若の里の付け人を、輝が昨年の九州場所まで2年以上も務めていた。一般的に、関取の付け人には同部屋の若い衆が付く。輝が十両に昇進し、関取対元付け人という珍しい一番だった。

 若の里は「今まで付け人と対戦する経験がなかったので、負けられない気持ちで緊張した。身内と戦うような、嫌な気持ちでしたね。やりにくかった」と振り返った。取組は、ベテランの貫禄を示す完勝だった。「複雑ですね。もうやりたくないのが一番」と苦笑いした。

 押し相撲の輝は、四つに組み止められて敗戦。「強かったです。持っていけるかと思ったけど、止まってからが重かった。勝ちたかったです」。白星での恩返しは、持ち越しとなった。「今も尊敬する一番の関取。自分としては、越えたい一番」と話した。