<大相撲九州場所>◇9日目◇19日◇福岡国際センター

 異例の“誤審騒動”があったこの日は、珍事も起こっていた。幕内の碧山、十両琴禮、千代鳳、竜電の4人の関取が同時休場。同一日に関取4人が不戦勝となるのは、15日制定着前の1943年夏場所以来のことだった。

 熱戦を期待していた観客はがっかりしたはず。北の湖理事長(元横綱)は「ファンのみなさんには大変申し訳ない。大変残念です」と陳謝した。九州場所担当部長の楯山親方(元関脇玉ノ富士)は「けがは仕方ない。全力でぶつかれなければ、お客さんに失礼になる」とかばいつつ、表情は険しかった。

 秋場所から幕内の平均体重が160キロを超え、その分だけ体への負担も大きくなってきたと言える。しかし、竜電の師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は、気持ちの弱さも指摘する。「最近の若いやつはプロ意識が足りない。武士じゃない」とピシャリ。「私なら休んでいない程度のけが。本人に意思があれば再出場する」と、今場所中に復帰させる可能性も示した。