初場所で史上最多33度目の優勝を果たした横綱白鵬(29=宮城野)が、日本の国民栄誉賞に相当するモンゴルの「労働英雄賞」を受賞することが6日、関係者の話で分かった。大鵬の優勝32度を超える大記録の達成が高く評価された。17日に同国首都ウランバートルの大統領府で行われる授与式に参加し、エルベグドルジ大統領から授与される。

 労働英雄賞はモンゴルで最も栄誉ある賞で、国民に希望を与えたり国家に大きく貢献した人に与えられる。大相撲では09年の朝青龍がただ1人、受賞。モンゴル相撲の大横綱で68年メキシコ五輪レスリングで銀メダルを獲得し、同国初の五輪メダリストとなった白鵬の父ムンフバトさん(73)にも贈られた。角界の父と慕う大鵬さんが死後に国民栄誉賞を受賞した際「次は私もという気持ちはある」とも話していた。その栄誉を手にすることとなる。関係者によると、親子での受賞は初めてだという。

 白鵬はこの日、東京・墨田区の部屋を訪れた後、優勝額の撮影に向かった。直前にはムンフバトさんら家族を部屋から見送り、出発の際にはファンのサインの求めにも応じた。両親について「(モンゴルへ)帰りました」と話し「(滞在中に)いいところを見せられて良かったですね」との問いかけには、笑いながら「まあね」と答えた。初場所後の一夜明け会見での批判問題以来、会見以外で報道陣に答えるのは初めて。多くの来客にも対応し、リラックスした様子だった。