ドラフト上位候補右腕の大分商・森下暢仁(まさと)投手(3年)が、2年ぶりの甲子園出場を目指す。本格的な投手歴は1年弱ながら3月に自己最速148キロをマークするなど急成長。県岐阜商・高橋純平投手(3年)らと並ぶドラフトの目玉に浮上した。森下をはじめ、全国の「ピカイチ投手」を紹介する。

 大分商にプロ12球団が注目する怪物右腕がいた。3月の鹿児島実との練習試合で148キロをマークし完封。コントロールも抜群で一躍、ドラフト上位候補に名乗り出た森下だ。

 渡辺正雄監督(42)は「ポテンシャルが高く150キロは出せる」という。「全球団が上位評価。高橋(県岐阜商)、平沼(敦賀気比)と同格の球団もある」と胸を張る逸材だ。進路は模索中だが「打撃や守備も好きですが上でやっていけるとしたら投手が可能性はあると思う」と自信を深めている。森下はドラフトの目玉、最速152キロ右腕の高橋に負けじと奮闘中だ。

 高校入学から投手と野手を兼務し、昨夏はソフトバンクにドラフト4位指名されたエース笠谷がいたため、三塁手を務めた。渡辺監督が「勝負どころの嗅覚が並でない」という素質は、昨秋から主戦を任され、一気に開花した。

 中学3年時に駅伝大会に借り出されたほどの持久力の持ち主で、50メートル走も6秒2と運動能力に優れる。冬場に直径50センチ、約20キロの丸太をかかえ、ダッシュ10本を行うなどして力をつけた。入学時120キロ台後半だった球速は急激にアップ。高校で身長は6センチ伸び180センチ。体重は10キロ増の70キロになった影響も大きい。

 6月の東海大相模との練習試合は、伸びのある直球とスライダー、新球スプリットなどで翻弄(ほんろう)し無四球10奪三振の2失点完投。10球団のスカウトをうならせた。2年ぶりの聖地へ「チームワークを大事にし絶対行きたい」と気合。九州から全国NO・1右腕を狙う。【菊川光一】

 ◆森下暢仁(もりした・まさと)1997年(平9)8月25日、大分市生まれ。野球は小3から明治少年野球クラブで始める。大東中で軟式野球部に所属し3年時に九州大会優勝。大分商では1年夏からベンチ入りし、控え投手で甲子園出場。昨秋からエース。今春の県大会2回戦で大分豊府を7回参考ながら無安打無得点。右投げ右打ち。180センチ、70キロ。