次は神宮の星を目指す。今春のセンバツ準優勝投手、東海大四の大沢志意也(3年)が25日、東海大の体育学部体育学科に合格した。同大は首都大学リーグ5連覇中で、昨年は日本一にも輝いた強豪。巨人の原辰徳前監督や菅野智之投手ら、数多くのプロ選手を輩出している。再び縦じまに身を包み、舞台を甲子園から神宮に移して、高校で果たせなかった日本一の夢を追いかける。

 東海大四のエースとして、道勢52年ぶりセンバツ準優勝の原動力となった右腕が、新たな夢の入り口に立った。昨年の大学選手権覇者で、首都大学リーグ5連覇中の東海大に合格した大沢は「すぐに試合に出られなくても、1年目からベンチ入りすることが重要」。例年、部員100人近くの激戦で、どうすれば戦力になれるか。「試合を見たことがあるんですけど、3~4番手の投手でも球速150キロくらい投げている。スピードでは勝てないので、球の切れで勝負できる投手になりたい」。木製バット対策として、現在はカットボールを特訓中だ。

 甲子園での活躍を契機に、世界はぐんと広がった。センバツ終了後、ひそかなコミュニティーで全国レベルの選手たちと友情を育んできた。ある日、決勝で投げ合った敦賀気比のエース平沼翔太(3年)から、無料通信アプリLINE(ライン)を通して、グループトークの招待が届いた。メンバーは、大沢、平沼のほか、今夏の甲子園準優勝投手、仙台育英の佐藤世那(3年)、夏春と甲子園で2度完封劇を見せた近江のエース小川良憲(3年)の4人だ。頻繁にやりとりを重ねるうちに「みんな、与えられたものだけじゃなくて、自分で組んだ練習メニューを大事にしている。俺もやらなくちゃと思った」。高い意識に、刺激を受けている。

 平沼は日本ハム、佐藤はオリックスへの入団が決まった。小川は首都圏の大学に進学予定だ。「プロに近づきたいと思って東海大を選んだ。あの2人ぐらいになれば、自分にも可能性はあるのかな。良い選手になれるよう、4年間、しっかりやっていきたい」。高校時代に果たせなかった日本一、そして、その先の大きな夢へ。友の存在が、大沢を前へ前へと駆り立てる。【中島宙恵】

 ◆大沢志意也(おおさわ・しいや)1997年(平9)4月17日、天塩町生まれ。天塩小1年で野球を始め、天塩中卒業まで投手兼遊撃手。東海大四では1年秋の地区予選で初ベンチ入り。2年夏甲子園に背番号18でメンバー入りし、秋から背番号1。3年夏は南大会準決勝で北照に敗れた。家族は両親と姉1人。174センチ、70キロ。右投げ左打ち。

 ◆東海大四のセンバツVTR 1回戦3○0豊橋工、2回戦3○2松山東、準々決勝1○0高崎健康福祉大高崎、準決勝3○1浦和学院、決勝1●3敦賀気比で、道勢52年ぶりの準優勝。大沢は1回戦完封、2回戦完投、準々決勝救援、準決勝完投、決勝も敗れはしたが完投と、全試合に登板した。