第88回選抜高校野球(20日開幕、甲子園)の甲子園練習の2日目が16日、行われた。右膝下から義足をつけてプレーしている釜石(岩手)の沢田一輝内野手(3年)が一塁守備で汗を流した。

 初めての甲子園に緊張した。沢田は本来の動きが出せず、ノックでエラーを連発した。昨年11月から始めた投手としても、聖地のマウンドに立ちたかったが、投手の練習メニューから外れた。「想像した以上に緊張した。(佐々木)監督からマウンドは2人だけって言われたけど、投げたかった」と、悔しそうに振り返った。

 小5から野球を始めた。当時から義足を言い訳にせず、「普通の体と思ってプレーしています」と通常のメニューをこなしてきた。高校入学時は一塁だったが、出場機会を得るために投手も兼任。8日の練習試合では3回を投げ、被安打12で14点を失った。「技術も気持ちの面でも劣っている」と自己分析。初戦に向けて「開会式に行進だけをしに来たわけじゃない。両親に恩返しするためにも、投手でも一塁でも試合に出たい」と力強く宣言した。