プロ野球ドラフト会議が今日22日午後5時から東京都内のホテルで開催される。各球団の1位指名選手は誰なのか、外れ1位は? アッと驚く隠し玉選手はいるのか? 前日21日までに1位指名選手を明言したのは楽天(平沢大河内野手=仙台育英)西武(多和田真三郎投手=富士大)ヤクルト(高山俊外野手=明大)中日(高橋純平投手=県岐阜商)の4球団。12球団の1位指名選手を予想。

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ヤクルト

【1位指名予定選手】

高山俊外野手(明大)

真中監督が20日、高山を1位指名することを決めた。都内の球団事務所でスカウト会議を開き「やっぱり外野手が欲しいので高山君でいこうとなった」と、異例ながら1位指名選手の名前を公表。高山外野手は21日に「右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折」が判明

明大・高山俊
明大・高山俊

巨人

【1位指名予想選手】

桜井俊貴投手(立命大)

20日にスカウト会議を開き、1位指名候補を7選手に絞ったが、桜井を最上位に評価した。ほかの1位候補は仙台大・熊原、大商大・岡田、青学大・吉田正、明大・高山、富士大・多和田、東海大相模・小笠原

巨人のドラフト1位候補に急上昇した立命大・桜井
巨人のドラフト1位候補に急上昇した立命大・桜井

阪神

【1位指名予想選手】

高橋純平投手(県岐阜商)

【外れ1位候補選手】

オコエ瑠偉外野手(関東第一)

【その他指名有力選手】

山本武白志内野手(九州国際大付)

坂本誠志郎捕手(明大)

谷田成吾外野手(慶大)

原樹理投手(東洋大)

21日に都内でスカウト会議。1位候補を7人に絞り、金本新監督の意向を聞きながら当日に指名選手を決定するとした。金本監督は会議には出席しなかったが、オコエ(東京・関東第一高)高橋(県岐阜商高)岡田(大商大)らの名前を挙げ「素材重視。チーム内で育てていかないと、という意見はした」と話した。くじ運はないという監督は「競合を恐れたら何もできない」と強気。「『無難な選手を取るドラフトから脱却しよう。欠点は入れてから直すもの』と口を酸っぱくして言った」と持論を展開

プロ志望届を出したオコエ瑠偉は「トリプルスリー」と色紙に目標を書いた
プロ志望届を出したオコエ瑠偉は「トリプルスリー」と色紙に目標を書いた

広島

【1位指名予想選手】

岡田明丈投手(大商大)

21日都内のホテルでスカウト会議。最終的な1位候補を即戦力投手3人に絞り込み、その中で岡田が最有力候補に挙がった模様。一方で県岐阜商・高橋らも候補に挙がっており、最終決定は今日午前中に行われる会議で下される


中日

【1位指名予定選手】

高橋純平投手(県岐阜商)

【外れ1位候補選手】

木下拓哉捕手(トヨタ自動車)

【その他指名有力選手】

阿部寿樹内野手(ホンダ)

吉持亮汰内野手(大商大)

西川省吾投手(日本福祉大)

中川誠也投手(愛知大)

21日都内でスカウト会議。中田スカウト部長は「結論は高橋純平です。公表です」と県岐阜商・高橋純平投手(3年)の1位指名を明かした。即戦力投手を指名する戦略もあったが、最後は競合覚悟で152キロ右腕に照準。抽選予定の谷繁元信監督は「チーム全体を見て、必要なものは言わせていただいた。クジになったら自然体で。楽しみですね」


DeNA

【1位指名予想選手】

今永昇太投手(駒大)

15日、横浜市内の球団事務所で向けたスカウト会議を行った。1位指名候補について高田GMは「将来性というものも考えたいけど、状況としては即戦力の投手になると思う」と明言


ソフトバンク

【1位指名予想選手】

高橋純平投手(県岐阜商)

【外れ1位候補選手】

小笠原慎之介投手(東海大相模)

【その他指名有力選手】

広岡大志内野手(智弁学園)

高橋を1位指名する方針であることが20日、分かった。チームは充実した戦力で2年連続の日本シリーズ進出を決めたが、先発ローテーションの編成は30代の投手が中心。武田や千賀に続く、次世代のエース候補の獲得が最優先課題に挙がっていた。ドラフト会議には工藤監督が出席する予定で、競合した場合はクジを引く。この日、指揮官は自信なさげだった。「クジ運は全くないよ。ビンゴをしても、いつも最後の方だし…」

県岐阜商・高橋純平投手
県岐阜商・高橋純平投手

日本ハム

【1位指名予想手】

高橋純平投手(県岐阜商)

【外れ1位候補選手】

小笠原慎之介投手(東海大相模)

【その他指名有力選手】

河原右京内野手(早大)

13日、栗山監督を交えてスカウト会議を行い、高橋を1位指名する方向性を固めた。最速152キロの本格派右腕で、大谷ら若手がそろう投手陣の基盤を強固にするため、スケール感あふれる逸材に狙いを定めた。左腕が手薄なチーム事情から、高校生では東海大相模・小笠原慎之介投手の選択肢もあったが、最終的に高橋へと傾いたようだ。栗山監督の「日本一になるためには投手。スケールの大きな投手が、もう1人」とのリクエストにも合致した

県岐阜商・高橋純平
県岐阜商・高橋純平

ロッテ

【1位指名予想選手】

高橋純平投手(県岐阜商)

【外れ1位候補選手】

近藤大亮投手(パナソニック)

21日、山室球団社長が「抽選は避けられないでしょう」と人気選手の指名を示唆。球団内には高橋を推す声が多く、競合覚悟で指名に踏み切る構えだ。一方で、高校生を指名しない場合について、松本編成統括は「即戦力で隠し玉的な投手が意中にいる」と話した。名前は伏せたが「すぐに勝てそう。石川のイメージ。隠し玉と言ったら失礼かな。競合かも知れない。でも、高校時代は知られていなかった」と、2年前の1位右腕に重ね合わせた。パナソニック・近藤大亮投手(24=大商大)とみられる


西武

【1位指名予定選手】

多和田真三郎投手(富士大)

【その他指名有力選手】

大滝愛斗外野手(花咲徳栄)

西武の鈴木球団本部長はドラフト会議前日となった21日「この投手に関しては4年生時の判断というより、下級生から見ていて身体能力の高さがドラフト候補選手の中で1番。1位で行くと決めた。エースナンバーをつけていい選手」と、富士大の最速152キロ右腕、多和田の1位指名を明言。昨年もドラフト会議前に高橋光成の1位指名を公にしたが、球団としては異例の2年連続公表で勝負に出る

富士大・多和田真三郎投手
富士大・多和田真三郎投手

オリックス

【1位指名予想選手】

吉田正尚外野手(青学大)

18日の編成会議後に、瀬戸山隆三球団本部長は「これからオーナーと球団社長に話を通すが、我々の中では決まった」ときっぱり。名前こそ出さなかったが、吉田の1位指名を明かした。同本部長は「ウチは投手力もそうだが、打力が弱い。春から即戦力の野手を行きたいというのは考えていた。ホームランバッター、日本人の4番を打てる野手が欲しい」と続けた。吉田は明大・高山とともに野手では各球団の1位候補。大学日本打表で4番を務め、その長打力はピカイチと評価される

青学大・吉田正尚外野手
青学大・吉田正尚外野手

楽天

【1位指名予定選手】

平沢大河内野手(仙台育英)

【外れ1位候補選手】

熊原健人投手(仙台大)

【その他指名有力選手】

茂木栄五郎内野手(早大)

星野仙一副会長が7日、平沢を1位指名すると明言。「アタマ(1位)は決まっとる。平沢や。(出身が)東北だから指名するわけではない。東京だろうが、大阪にいても行く。ずっと評価している。他球団がどうとか関係ない」

仙台育英・平沢大河
仙台育英・平沢大河

ドラフト展望

ドラフト目前となり、1位指名を公言したのはヤクルト(明大・高山俊外野手)中日(高橋純平投手=県岐阜商)楽天(仙台育英・平沢大河内野手)西武(多和田真三郎投手=富士大)の4球団。他球団の1位候補絞り込みも大詰めに入った。高橋、平沢以外で、高校生で1位入札が確実視されるのは東海大相模・小笠原慎之介投手、大学生は明大・高山、富士大・多和田以外で、仙台大・熊原健人投手、大商大・岡田明丈投手らが挙がる。昨年の早大・有原(現日本ハム=4球団競合)、一昨年の桐光学園・松井裕(現楽天=5球団競合)のような、超目玉選手は不在で、各球団の指名が比較的分散するのでは、と見るスカウト陣は多い。本来は目玉候補だった駒大・今永は左肩腱板(けんばん)炎症から復帰過程で、県岐阜商・高橋は左太もも痛の影響で指名を独占するまでに評価を上げられなかった。甲子園で話題を集めた関東第一・オコエ瑠偉外野手は、各球団が上位候補に挙げるが、一般的に投手重視となるドラフト戦略の中で、高校生、しかも外野手を1位指名するハードルは高い。「外れ1位」を含めた1位12人に入る可能性は十分だが、一本釣りを狙う球団が現れるかは不透明。明大・上原健太投手、青学大・吉田正尚外野手、慶大・谷田成吾外野手らも上位候補に挙がる