ロッテ二木の落とし穴は6回だった。5回までは完全投球。最速142キロの直球は力強く、変化球でも楽にストライクを取った。だが6回、ソフトバンク先頭長谷川に中前打。犠打で1死二塁となり、勝負の潮目が来た。「本多さんの四球が悔やまれます。適時打を打たせたくない気持ちが強くて。もっと大胆にいけば良かった」と唇をかんだ場面だ。

 本多には3球続けて変化球が外れた。カウント3-1から5球目は直球が高く抜けて四球。続く福田には一転、初球で直球を投げたが「四球の後の初球。相手も狙っていたと思う」。甘く入り、右中間への2点適時三塁打で先制された。さらに今宮の犠飛で3点目。終わってみれば8回5安打3失点。6回だけだった。

 伊東監督は「バッテリーの若さ。警戒している打者を間違った」と指摘した。「田村は今年、少し怖さが出ている。ピンチで変化球が多い。今日の直球なら力で押して良かった」。本多には力勝負。反対に、福田には慎重さが欲しかった。それでも、同監督は「先発として合格点」と認めた。首位攻防で2連敗。今日先発・涌井で、3連敗は阻止する。【古川真弥】