珍事なんて言わせない! 開幕前の下馬評を覆し、混セをすり抜けて中日が今季初めて首位に立った。守備の人・堂上直倫内野手(27)が、2回の先制1号ソロに始まり、5打数3安打6打点と大当たり。チームは今季最多の17安打、最多タイ11得点と打線が猛威を振るった。東京ドームで巨人に3タテを食らわすのは10年ぶりだ。

 昨年まで守備要員だった堂上が、バットでチームを首位に押し上げた。0-0の2回、巨人高木から左翼席中段へ先制の1号ソロ。15年5月29日日本ハム戦(札幌ドーム)以来、1年ぶりの1発で勢いづき、6回、7回にも適時打。2年ぶり猛打賞、6打点はもちろん自己最多だ。

 「出してもらっているからには、何とかその期待に応えられるようにしたい」。ヒーローインタビューでは、照れくさそうな笑みをこぼした。06年のドラフト会議で中日、巨人、阪神の3球団が1巡目指名した。高校通算55本塁打のスラッガーは、未来の主砲と期待された。しかし、昨年の打点は1。レギュラーどころか守備固めになっていた。同世代の巨人坂本、ヤンキース田中、ドジャース前田らが華々しく活躍していった。プロ10年目を迎え「今年は自分で変わろうと思って(昨年の)秋からやってきた」と奮い立った。

 開幕遊撃の遠藤が不調で2軍落ち。堂上にチャンスが巡ってきた。そんな時、谷繁監督から「もっと頭を使え」と指摘を受けた。「去年までもしていたが、甘かったんだと思う。投手の特徴や狙い球だとか。研究するようになった」。A6サイズのノートの3分の1に書く程度だった毎日の気づきや反省が、1ページにびっしり埋まるようになった。昨年までの堂上ではない。バットで証明してみせた。

 チームも、開幕前は低かった下馬評をはね返した。前カードの阪神戦では2試合連続完封負けを喫していたが、巨人相手に一変。東京ドームでは10年ぶりとなる3連戦3連勝だ。当時、選手として出場していた指揮官は「東京ドームで3日連続、勝利インタビューを受けるなんて初めてです」と笑った。2位広島と勝率2厘差ながら、昨年4月16日以来の単独首位に浮上。今の中日にはどんな評判も関係ない。【宮崎えり子】

 ▼中日が3連勝で首位。東京ドームの巨人3連戦で3連勝は06年7月4~6日以来だが、今回は7点→8点→11点と打線が爆発。巨人戦で3試合続けて7点以上は73年7月8日8点→14日8点→15日7点以来、43年ぶり。連戦のケースでは、ダブルヘッダーで行われた53年8月16、17日の4連戦で16日第2試合から8点→8点→10点と記録して以来2度目だ。中日の首位は昨年4月16日以来(開幕日除く)となり、5月以降の首位は12年6月30日以来で谷繁政権初。セ・リーグの首位チームは4月29日から現在9連敗中だが、中日はどうなるか。