ヤクルト山田哲人内野手(23)が、2年連続で「母の日」にアーチを放った。阪神8回戦(甲子園)の初回、先制の12号2ランを左翼スタンドへ運んだ。球団通算7500本目となるメモリアル弾で、広島エルドレッドに並んでリーグトップに立った。3安打3打点2盗塁の活躍で、6回2/3を1失点と好投したルーキー原樹理投手(22)の2勝目を強力に援護した。

 帰りのバスに乗り込む山田が、ふと思い出したように足を止めた。「あれ、去年も打ってますよね? 強いよ、母の日」と報道陣に笑みをこぼした。昨年5月10日の母の日、秋田で開催された中日戦で初回に先頭弾を放った。今年も初回だった。今度は3番で迎えた1死一塁。「ミーティングでも(能見は)インコースの直球が多いということで。頭には入っていた」。初球、おあつらえの内角139キロ直球だった。振り抜いた打球は、昨年同様に左翼スタンドに吸い込まれた。

 2年連続でマークした「母の日」アーチ。「今までも特に何もしていない。電話くらいですね。でも打てて一番いいプレゼントになったと思います。健康でいることが一番じゃないですか」と母則子さんへの思いは、照れ笑いで隠した。だが、周囲への感謝の気持ちは常に忘れない。

 「いつも誰かのためにという気持ちで野球をやっている。両親に家を買ってあげるためにとか、地元の友達にかっこいい姿を見せるためとか。そういう気持ちでね」。タイトルが確実視された昨年のリーグ終盤、年俸アップの話題に及んだ時も「実は両親に車とか何かプレゼントしたいなって思っているんですよね」と話したこともあった。父知規さんも含めた両親、家族や友人。みんなの支えがあってこそ、今の自分がある。山田はそう考えている。

 1発だけではない。7回には左翼線への適時二塁打、9回にも左前打を放った。三塁打が出ていればサイクルヒットという3安打3打点2盗塁の活躍で、ルーキー原樹の2勝目を援護した。リーグトップに並ぶ12号は、球団通算7500本目のメモリアル弾でもあった。「これからも引き続き、頑張りたい」。今後も変わることはない。常に山田は周囲、チームのために打ち続ける。【栗田尚樹】