大敗で首位を陥落した広島だが、主砲の勢いは止まらない。新井貴浩内野手(39)は2試合連続打点をマークした。3点を先制された直後の1回に左前適時打を放った。大黒柱、黒田博樹投手(41)が出場選手登録を抹消され、試合は終始劣勢のまま敗戦。緊急事態に陥ったチームで、ベテランの存在感が頼りだ。

 プレーボール直後に背負った3点ビハインドにも、新井の集中力は研ぎ澄まされていた。1回2死二塁。1ストライクから甘く入ったスライダーは、得点圏打率4割を超える新井の餌食となった。打球音を残した白球は三遊間を抜けた。主砲の2試合連続打点がこの日唯一、マツダスタジアムを沸かせた。

 広島打線は2回以降もDeNA山口のワンシームに凡打の山を築いた。主砲の一打で高まった反撃ムードは、投手陣の乱調で消沈。4回にスコアボードにともった「1-5」の得点差は、好調打線にとっても重荷となった。今季11度逆転勝利を演じてきた打線も、4点差以上を跳ね返したのは1試合のみ。緒方監督も「力のある球だけでなく、(打者の手元で)動かされる球も多かった。なかなか捉えられなかった」と打線をかばった。

 試合前には大黒柱黒田が出場選手登録を抹消された。この日失点を重ねた先発福井も試合後に2軍降格となった。横山を含め、6日からのDeNA3連戦で先発した3投手が軒並み登録を抹消される事態。右肘痛からの復帰を目指す大瀬良の実戦復帰も5月末と見込まれる。好スタートを切った広島だが、にわかに暗雲が垂れ込めてきた。

 明日10日から神宮、ナゴヤドームと遠征する6連戦には、若い投手陣を起用しながら、首位再浮上をかける。いまだ打率、本塁打、得点とリーグトップを誇る強力打線が、難局を乗り切るカギとなる。新井は「(今日は)何もない。明後日(10日)しっかり準備してやるだけ」。敗戦にも、主砲は力強く前を向く。チームを引っ張るベテランの姿に、広島ナインは奮い立つ。【前原淳】