「超変革」の申し子に承認された阪神原口文仁捕手(24)が「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦で勝利に貢献する2安打を放った。左手負傷から4戦ぶりに捕手に復帰して即活躍。午前中に行われた阪急阪神ホールディングスの株主総会では金本監督の「超変革」路線が絶賛され、中でも原口が好感度NO・1の注目株に認定された。株主のみなさま、これからも応援よろしくお願いします。
株主さまも絶賛の「猛虎を支える男」が復活した。捕手に復帰した原口が放った2安打は、いずれも得点を呼んだ。何よりほしいチームの勝利に貢献した。
「(痛みは)大丈夫です。(打てたのは)本当に良かったんで。なんとか継続していけるように」
9日ロッテ戦の守備で左手親指を打撲。10日からの日本ハム3連戦では、負担の少ない代打や指名打者での出場だった。2回に先頭で二塁打のゴメスに続いて右前打を放ち、先制の1点につなげた。7回1死にはまたも右前へ運び、代打狩野の適時内野安打への道筋を切り開いた。4戦ぶりのマスクでも、出場した7回まで相手を0点に抑え込む必死のリード。2盗塁は許したものの、ホームにかえすことはなかった。
いまさらながら、4月27日に育成から支配下選手登録されたばかり。即座に5月の月間MVPを獲得し、球宴ファン投票でも中間発表で捕手部門の1位に立つ。この日午前中に行われた阪急阪神HDの株主総会でも、原口のシンデレラストーリーが話題となった。質疑応答に臨んだある男性株主が「若い選手の積極起用はうれしい限り。金本、掛布の連携がうまくいっている。伸び悩む若い人、ケガに悩む選手に希望を与えてくれている」とその存在を絶賛。辛口で知られる株主さまに一目置かれるだけの活躍を、総会当日のナイターでも演じた。
猛虎のレジェンドも、注目する。5月13日、横浜でのDeNA戦。練習を終えてベンチに引き揚げようとすると、かつて阪神で名捕手として活躍した田淵幸一氏に呼び止められた。原口があいさつすると「背番号、みせてみ」。後ろを振り向き94番を見せると、田淵氏は笑顔で「その背番号、軽くしてもらえよ」と激励した。原口は「まだまだ恐れ多いです。今は頑張るだけです」と謙遜しながら、必死にゲームに臨む日々。この日の2安打に金本監督も「打つ方は頼りになりますね」と最敬礼だ。
交流戦5カード目にして初の、カード初戦勝利。原口は8回から岡崎にマスクを譲った反省を忘れなかった。「もっとしっかりやらないと終盤は守れないというのは分かっているので。練習からもっとしっかりやらないといけない」。この向上心こそがこの男の強さだ。借金3の返済へ、交流戦を締めくくる甲子園6連戦で絶好のスタートを切った。【梶本長之】
▼阪神が同一カード3連戦の初戦を勝ったのは、5月27日巨人戦(東京ドーム)以来。今季交流戦では、5カード目でようやく初勝利となった。
▼交流戦オリックス戦での14年6月6日(甲子園)以来の連敗は5でストップ。甲子園でのこのカード、12年6月9日からの連敗も止めた。
<原口のこれまで>
◆4月27日巨人戦 支配下登録され、即日1軍入り。山田2軍コーチのユニホームを借用し、8回にはプロ初安打。
◆同29日DeNA戦 7番で初の先発出場。岩貞ほか4投手をリードし勝利。
◆5月4日中日戦 初本塁打となる3ランを含む2安打4打点。横山のプロ初勝利をリード。
◆同6日ヤクルト戦 球団46年ぶりの3試合連続完封勝利に、期間中フル出場で貢献。
◆同11日巨人戦 初の5番に昇格。阪神捕手のクリーンアップは、10年城島以来。
◆同19日中日戦 2-2の9回裏に中越えサヨナラ打。育成経験者では球団初のサヨナラ打。
◆6月6日 球宴ファン投票の中間発表で初めて捕手部門の1位に。投票用紙にノミネートされていない中で異例の得票。
◆同7日ロッテ戦 試合前に5月の月間MVP受賞が決定。育成経験の野手として、そして昇格翌月の受賞はともにプロ野球初。



