DeNAドラフト3位の新日鉄住金鹿島・大貫晋一投手(24)が茨城・神栖市内のホテルで仮契約を行った。契約金は6000万円、年俸1200万円(金額は推定)。背番号は同社OBで今季限りで引退した加賀の背負った16に決まった。「今まで実感はなかったけど、仮契約を終えて、新しい1歩を踏み出したなと。偉大な先輩の番号。(先輩を)超えられるように努力します」と表情を引き締めた。

新日鉄住金鹿島・大貫として、最後の大舞台で躍動した。1日から12日まで行われた「第44回社会人野球日本選手権」では1回戦で1失点完投。チームの大会初勝利に貢献すると、準々決勝でも1失点完投。4強入りに導いた。「ドラフトにかかったピッチャーだという目で見られると思っていたので、プレッシャーはあった。ベスト4まで行けて恩返しができてよかったです」と笑顔を見せた。

ケガを乗り越え今がある。日体大2年時の13年11月、高校時代に痛めた右肘痛が再発。「野球をあきらめようかと思った。チームのみんなに支えてもらったので裏切る訳にはいかないと思った」と、トミージョン手術に踏み切った。1年半のリハビリを経て順調に回復。手術前141キロだった球速は、今では最速148キロまで上がった。完全復活を果たしたのは15年秋、4年最後のシーズンだった。ただし、エースとしてチームを支えていたのが、西武から1位指名を受けた松本航投手(当時1年)だった。「彼が1戦目で、自分が2戦目だった。また同じ舞台で戦えるのはうれしいです」。当時の1年には、ロッテから2位指名を受けた東妻勇輔投手もおり「2人とも順位が自分より上なので、先輩として負けたくない」と闘志を燃やす。

大好きな地元球団の一員になる日を心待ちにする。横浜市出身で小さい頃からレプリカユニホームを着て横浜スタジアムに通った。「本物の、しかも自分の名前の入ったユニホームを着られるなんて夢のようです。みかん氷が大好きでした」とハマスタ名物を挙げ、昔を振り返った。「年も年なので1年目から活躍したい。開幕ローテーション入りを狙っていく。ファンにも愛されるような選手になりたい」と力を込めた。【久永壮真】