150キロ超の剛速球で“大将軍”に成り上がる。日本ハムの育成ドラフト3位、長谷川凌汰投手(24=BC新潟)が6日、愛読書の漫画「キングダム」全56巻を携えて、千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮。

「目標は大将軍。トップを目指して頑張りたい」。半透明のボックスケース3箱に夢をぎっしり詰め込んで、プロの扉を開けた。

「キングダム」は中華統一をテーマにした歴史漫画で、昨年には映画化もされた人気作品だ。「主人公が、奴隷から将軍へのし上がっていくところに共感する。僕も育成3位から、はい上がりたいと思っているので、すごく刺激を受けています」。主人公・信に、新人10選手中、最後に指名を受けた自身の姿を重ねた。

日本ハムの元ドラフト1位、BC新潟の清水監督からは「遅刻だけはするな」と助言を受けた。「監督が入団してすぐの頃に遅刻をして、下柳さんにかなり怒られたと聞いていたので、30分前行動を心がけます」。福井県出身。188センチの長身から投げおろす直球は、最速153キロを誇る。18年ドラフトで指名漏れの悔しさを味わい、課題だった変化球に真正面から取り組んでプロ入りを実現した右腕の出世物語が、幕を開ける。【中島宙恵】